第九十七話 オレに運ってあんのかな?
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ら、自分が言おうと思っていたので、手間が省けたと思った。
二人のやり取りを見ていたクィルが近づいてくる。
「とりあえずは本戦だ」
「そうだな、まずはガシューを叩く」
ミラニがすかさず声を発したので、それにならって闘悟も返す。
まさかクィルにこの話を聞かれるわけにはいかないからだ。
こんな話を聞けば、彼女は必ず首を突っ込んでくる。
そして、二人の心配をして心を砕いてしまう。
そんな思いをさせないためにも、闘悟達は早々に話を切り上げた。
「トーゴ様、ミラニ、何の話をしていたのですか?」
クィルが普段と変わらない笑顔で聞いてくる。
「いんや、もうすぐオレ達の出番だしさ、どうやって闘おうか話してたんだ」
ミラニも小さく頷き肯定する。
「そうなのですか?」
「で? どうやって闘うのよ? 特にトーゴ」
「何で特にオレなんだ?」
突然ステリアが声を掛けてきたが、その内容が気になったので問い返す。
「べ、別に理由なんかないわ! ただ……そ、そうよ、鎧の美人も知りたいんじゃないかしら?」
「はあ? お前何言ってんだ?」
闘悟はステリアが慌ててる様子が不思議だった。
さっきの言葉も突っ込みどころが満載だった。
「何で鎧女が美人なんて分かるんだ? それと、ここで闘い方を言っても鎧女には分かんねえだろ?」
ここにいるわけじゃねえんだから。
「う……それはそうだけど……むむむ」
ステリアは皆に背後を向け、何かを考える仕草をしている。
そんなステリアを見て、皆は首を傾げる。
ニアだけはそんな彼女を微笑ましそうに見ている。
「あ、ほら! もう終わりそうよ〜!」
ニアの言葉は全員に届いたようで、皆が舞台に注目する。
どうやら第五回戦も終わったようだ。
今日の二次予選は全部で十回戦ある。
これから後半が始まる。
「うっしゃ、そろそろオレの出番だろ?」
闘悟は両拳を互いに突き合わせて言う。
「そうなのですか?」
クィルが闘悟の言葉に疑問を感じて問う。
「ああ、石版のトーナメント表には中くらいに書いてあったしな。そろそろだろ?」
ワクワクしながら闘悟は言っているが、それを見てミラニは軽く溜め息を漏らす。
「なあトーゴ」
「何だミラニ?」
「貴様、あの石版の最初に書かれてある番号は覚えているか?」
「ん? 何だいきなり?」
「いいから覚えているのか?」
何だか分からないが、そんなに言うなら答えておこうと思った。
「えっと、確かBだったな、隣はEだから、BとEが闘ったんだ
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