機動戦士ガンダムSEED
0238話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
C.E.71年10月1日。その日、俺はシャドウミラーの軍服を着てオーブの首都であるオロファトにある行政府へと向かっていた。
雲一つ無い青空の下、エレカを運転する俺の隣には補佐としてコーネリアが座っている。
「と言うか、何で俺が運転してるのやら」
俺のその言葉に、俺と同じくシャドウミラーの軍服を着ているコーネリアが笑みを浮かべて言葉を返す。
「普通、ドライブをする恋人同士なら男が運転するものだろう?」
「いや、デートじゃなくて終戦会議だから」
そう、今日は連合軍とプラントからの代表が出席した終戦会議が行われる日だ。以前の会議で俺の意見が採用され、それについての交渉が行われる。
何故そんな会議に俺が出席するのかといえば、ぶっちゃけ抑止力だ。考えてみれば当然なのだが、連合にしろプラント――この場合はザフトか――にしろ、自分達が負けたのはシャドウミラーであってオーブではないと考えている軍人や政治家もいるらしい。……ザフトに関しては、アイリーン・カナーバが押さえているのでそれ程の人数でも無いのだが、連合軍は余り期待出来ない。
そう言えば、アズラエルが俺達に捕らえられてオーブに収監されている現状で誰が地球連合を引っ張っているかと言えば、なんと大西洋連邦大統領のジョゼフ・コープランドだ。
……この人物はDESTINYではロゴスの人形だった人物だと思ったんだが、精力的に活動しており予想外に高い支持率を得ている。まぁ、アズラエルが消えた後のロゴスの代理人という意味もあるのだろうが。それとは逆に、DESTINYでブルーコスモスの盟主だったロード・ジブリールはまだ表に出て来ていない。
「ふふっ、私は本当にデートでも構わないんだがな」
俺の隣で流し目を使い誘ってくるコーネリアの瞳は非常に蠱惑的で、一瞬本気でこのまま終戦会議をサボろうかと思ってしまったが、何とかその欲求を抑えつける事に成功する。
「そんな訳にもいかないだろ。俺達が行かなかったせいで終戦会議が纏まらなかったら洒落にならない。また戦争なんてのは御免だぞ」
「それもそうだな。レモンとマリューが研究で忙しいからアクセルを独り占め出来ると思ったのだが、な。それは会議が終わった後の帰りにするよ」
「いや、一応会議が終わったらパーティがあるからそうもいかないと思うが……」
「全く、ままならんものだ」
軽く肩を竦めるコーネリア。
「本来ならあの2人も会議に出席する筈だったんだがな」
そう、本来ならレモンとマリューも今回の会議に出席する予定だったのだ。だが俺の新機体の開発に難航している為、今回は欠席となった。
「さすがにT-LINKシステムを鋳込むというのは難易度が高かったらしいな。マリューにしても、その手伝いで忙しそうにしているし」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ