間幕:Ir de tapas (軽食屋巡り)
Canard a l'Orange / 鴨のオレンジソース
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れないからっ!! 散って土に返るぐらいなら、ドライフラワーになっていつまでも窓辺で生き残ってやる!!」
「そうそう、ミミズだってオケラだって俺だって生きてるんだ。 だから見ないフリはやめような。 イジメよくない」
おおっと、ここで定番の逆切れ!
フェリクシア選手、いつもながら見事なキレっぷりです。
ここはヤンデレまで一直線か?
そしてクリストハルト選手、すかさず盗塁の如く会話に割り込んだ!
しかしまたもや見事にスルー!! またしても届かないっ!!
「ドライフラワーって、古くなると色あせるし埃がつくから案外もたないよな。 やっぱり花は生花に限るわ」
決まった、キシリア選手の必殺"毒舌カーブ"!
フェリクシア選手のいちばんデリケートな部分にストライク!
あまりのえげつなさに観客一同思わずあいた口がふさがらない!!
これは立ち直れないか? 立ち直れないか!?
ああぁーっと、フェリクシア選手ついに泣きながら失踪した!
ゲームセット!!
なお、ここまでの解説はおはようからお休みまで貴女の暮らしを見つめるストーカー……ではなく、世界の、貴女の愛玩動物マルが人間口調でお送りしましたニャ。
「見事なまでの鬼畜ぶりだな。 ついでに俺の存在も思い出してくれると嬉しいのだが」
「諦めるニャ。 あの人たち、自分の都合の悪いことは一切見えないから」
こちらも、実はひっそりとしょぼくれていたクリストハルトの肩を、意外と苦労人なテリアがポンポンと叩く。
その隣を、「ひどい、ひどいわ!」と、子供じみた態度でフェリクシアがバタバタと通り過ぎた。
やがて彼女の足音は、二階の階段を駆け上り、バタンとドアの閉じる音と共に収束を見せた。
その跡をゆっくりとキシリアが追いかける。
まったく慌てていないところを見ると、この二人の関係はおそらくいつもこんなものなのだろう。
リア充だが、正直あまり羨ましくない。
「はいはい、からかっただけだからそんな拗ねるな」
「……嫌よ! もっとちゃんと謝ってよ! 私、傷ついてるんだからっ!」
ドア越しに語りかけるキシリアの声に、構ってオーラ全開で答えるフェリクシア。
本人がまじめで必死であるほど笑えてしまうのは、聞き手がヒネているからだろうか?
「仕方が無いだろ? かわいいと、ついからかいたくなるのが男の性なんだし」
「そ、そんな言葉に騙されないんだから! これでも、私弁護士なのよ!?」
色恋沙汰に法律は何の役にも立たないのだが、自分の立場を理由に頭がいいとおもっている人間は、意外と愚かであることが多かったりする。
事実、キシリアの話術に乗せられて次々と不満を口にすることで怒りのエネルギーを消費させられていることにも気づかない。
――怒り
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