第二十四話「祝☆入団!」
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けー、扉よ開け〜♪」
対して僕は自身の目の前に直径二十メートルくらいの大きさを持つ扉を出現させた。古代の遺跡にありそうな鋼色の扉は重厚な音を立てて開口すると、ヴァーリくんが放った魔術は扉の奥へと消えていった。
ギィィ……と軋む音を立てて扉が閉まると、音も無く消えていく。
「はい、またまた開口〜」
再び扉が出現。今度はヴァーリくんの背後だ。開かれた扉の中から先程放たれた魔術が飛び出してくる。
慌てて飛び去ろうとするが、
「閉じろー閉じろー、空間よ閉じろ〜♪」
ヴァーリ君を中心にドーム状の結界を展開した。光弾や光線が結界の壁にぶち当たると、まったく威力を落とさずにそのまま反射する。
「くっ!」
避けながら自分が放った光弾などを処理するヴァーリくん。その光景を上空で眺めながら、新たな魔術を行使する。
「まぁる書いてちょん、まぁる書いてちょん……っと」
僕の周囲に魔方陣を展開。ヴァーリくんのように質より量を選んだため、膨大な数の魔方陣が空を覆う。その数、ざっと千。
「弾幕は正義なのです」
青白い輝きを示す魔方陣は手を振り下ろすと光芒を一層強くその猛威を振るった。ヴァーリくんを取り巻く結界は内部の攻撃を反射する機能はあるけど、その分外部の攻撃には脆いの。
「おぉおおおおおおおお!」
ヴァーリくんが障壁を張る。しかし、そんなものはまさに紙切れも同然だ。光の奔流は結界諸共ヴァーリくんを呑み込んだ。
――いやはや、数の暴力は怖いねー。範囲指定魔術じゃないのに辺り一面焼け野原だよ。一応、山周辺に隔離結界を張っておいてよかったね。
「ヴァーリくん大丈夫―?」
眼下では鎧を着る前の姿に戻ったヴァーリくんが仰向けで倒れていた。手加減しておいたから死んではいないと思うけど。
ヴァ―リーくんの元に着地した僕はしゃがみこんで彼の頭を指で突っついた。
「ふふ、まさに完敗とでもいうのかな。なるほど……オーフィス同様に相手にしてはいけないな、君は」
身体の所々には火傷の痕があるが命に別状はないようだ。満足げな笑みを浮かべたまま気絶してしまった。
「ありゃ、寝ちゃった」
――取りあえず戻りましょうかね。
唖然とした様子でこちらを眺める兄妹と相変わらずの無表情のオーちゃんを連れて、僕はオーちゃんの家へと跳んだ。
† † †
「いや、お強いとは聞いていましたが、まさかあのヴァーリが手も足も出ないとは……。オーフ
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