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東方守勢録
第二話
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「ありがとうございます」

「頼むぞ」

「はい」


男はそのまま敬礼すると、その場を後にした。


「さて……決着をつけようか……里中俊司」












数分後 革命軍地上本拠地周辺



「タイミングはどうするんだ?」

「戦闘が始まってから少したってからね」

「こっちはいつ始めてもいいの?」

「かまわないわ」


俊司達は本拠地から少し離れた場所で最終確認を行っていた。


「じゃあ、囮班は正面から突撃して頂戴。こっちはしばらくここで待機で」

「了解」

「じゃあ行ってくるわね〜」


8人は言われたとおり、本拠地のゲートに向けて行動を始めた。














革命軍本拠地 正面ゲート


捕虜の脱出があって以来、夜間の見張りは強化されつつあった。より厳重になったことと、兵士の疲労を考えてローテーションの間隔を調整していた。また、女性兵士も警備を行うようになっていた。

正面のゲートでは二人待機していた。そこから外周を等間隔で兵士が見張りをしている。付近には警報ブザーのスイッチが完備されていた。


「……」

「おい、交代だ」


見張りをしていた兵士達に、別の二人の兵士が声をかけた。兵士は現状を軽く報告するとその場を跡にしようとする。












(4人ですか……)
付近の木の陰から、一人の天狗娘が見ているにもかかわらず……












「夜分遅くに失礼しま〜っす」

「!?」


交代しようとしていた兵士達の前に、軽く笑みを浮かべた少女が現れた。


「そんなに硬くならないでくださいよ! 今回は取材させていただきたくってここに参りましたので」

「ぐっ……敵襲だ!」


兵士は少女の話を聞かずにブザーのスイッチを入れた。耳が痛くなりそうなほど大きい音が、付近に流れ始める。

少女はそれを聞いて若干溜息をついていた。


「はあ……まったく、人の話を聞かないんですから」

「とぼけるな!」


頭を抱える少女に、4人の兵士は淡々と銃口を向けた。


「おお、怖い怖い」

「何が目的だ!」

「だから取材に赴いたまでと」

「本当のことを言え! さもないと撃つ!」

「……」


撃つと言われた瞬間、少女は思いっきり兵士達を睨みつけた。兵士たちは一瞬身震いをしていたが、それに臆することなく再び照準を合わせた。


「そんな武器とあなた達の技量で……幻想郷最速である私を撃ち落とせると?」

「ぐっ……」

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