第九十五話 ホントに無事で良かったよ!
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れない。
「そんなことより、次の試合が始まるわよ」
ステリアは誤魔化すようにそう言い、舞台の方に体を向ける。
闘悟達も同じように視線を送る。
そこで闘悟は「あっ!」と声を上げたせいで皆に注目を受ける。
「どうされたのですか?」
「あ、いや、ちょっとカイバのとこに用があってさ。すぐ戻るから!」
「え? トーゴ様!」
「わたしもいくぞぉ〜!」
そう言いながら何故かハロが、出て行こうとする闘悟の背中に飛び乗って来た。
その対応に少し困った闘悟はその場で固まる。
ま、ハロなら問題無いかなと心の中で考える。
(あのことは、まだクィル達には言わない方がいいな)
そう思い、仕方無く闘悟は、そのままの姿で部屋を出て行く。
「よぉ、カイバ」
カイバはまだ医療ルームにいた。
ヨッチとリールも一緒だ。
治療魔法を受けたのか、顔色少しは良くなっている。
まだ完全回復とは言えないようだが、ずいぶんマシになったようだ。
「トーゴ!」
カイバが闘悟に気づき声を上げる。
「体、大丈夫か?」
「おお〜ここがいりょうるーむかぁ〜」
皆の視線がハロに注がれる。
「ハ、ハロウィン様ぁっ!」
カイバが彼女の姿を見て、声を上げて目を剥きながら驚く。
まあ、いきなり王女が現れたらそんな感じになるだろう。
「あはは、ついてきちゃってさ、悪い!」
「おう、きにすんなぁ!」
「いやいや、みんなハロに驚いてんだからな?」
「ん〜そうなのかぁ? よし、おどろいてもいいぞぉ!」
いや、そういうことじゃないんだけどな……。
「あ、あのお兄ちゃん、トーゴさんって何者なの? 王女様とあんなに親しそうなんだけど……」
「ん? まあ、ハロウィン様はトーゴの婚約者候補だからな」
「おいこらカイバ! 何適当なこと言ってんだ!」
すると、ヨッチが首を傾げる。
「あれ? でも王女様達の婚約者ってもう決まって……ああっ!」
いきなり思い出したかのように大声を張り上げるヨッチに皆が驚く。
「どうしたってんだヨッチ?」
「トーゴさんって、あのトーゴさん!? あの負けたらキャピーさんと結婚するっていう!?」
止めてくれ!
それは消したい過去の一つなんだから!
そうならないために必死に生きてるんだよオレ!
「そうそう、そのトーゴだよ!」
面白そうに笑うカイバを見て闘悟はイラッとする。
「あんま調子に乗んなよカイバカ!」
「カイバカって言うな!」
「うるせえ! てめえなんてカイバカで十分だ! 家族を
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