第九十四話 やればできるじゃんお兄ちゃんよ
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ヤーヴァスだった。
「キ、キサマ! コークはどうした!?」
ヤーヴァスの相手は、自分のパートナーであるコークがやっているはずだった。
「奴なら、あそこだ」
ヤーヴァスは、地面に臥(ふ)しているコークを指差す。
どうやら完全に倒されたようだ。
「くっ……この役立たずが!」
グレイクは忌々(いまいま)しそうに舌打ちをする。
「くそ! 何が起こっている! 何だこの状況は!」
闘悟は取り乱しているグレイクを見て、マイクを拝借(はいしゃく)して一言だけ言った。
「だから言ったろ? てめえの思い通りになんかさせねえって」
グレイクはハッとなって闘悟を睨みつける。
「キ、キサマのせいで!」
「おい、相手を間違えんなよ」
「何ぃ!」
カイバが息を乱しながら立ち上がり声を発した。
「トーゴと闘いたきゃ、俺を……俺達を倒せよ!」
「そうだな。今は我々が貴公(きこう)の相手だ」
ヤーヴァスは頷き肯定する。
「ぐ……ならぶっ殺してやる!」
グレイクは目を血走りながら睨みつける。
啖呵(たんか)は切ったものの、ハッキリ言って体に残るダメージでもうフラフラだった。
いや、たとえ全快でも実力の差が大きいので、まともにやれば勝ち目なんて無い。
だから今自分にできることはこれしかなかった。
「はあ、はあ、すみませんヤーヴァスさん、ちょっと頼み聞いてもらっていいっすか?」
「……何だ?」
視線を逸らさず問う。
息を飲んでカイバはヤーヴァスを見つめる。
「サポート、頼めますか?」
すると、少し目を閉じ考える仕草をする。
カイバは黙って見つめる。
「……何が起こっているか、いや、起こったか分からないが、どうやら、この場を収めるのは少年が相応しいようだ。それに……」
「え?」
ヤーヴァスがいきなり目を開き視線を向けてくる。
その鋭い目つきで体を硬直させる。
だが、フッと軽く息を吐くヤーヴァスを見て、呆気にとられる。
「何すか?」
「それに、いい顔をしている」
先程とは違ってと、ヤーヴァスは言外(げんがい)に込めている。
その言葉の意味を把握できずポカンとする。
「全力で応えてみよ。あの者達に」
視線を闘悟達の方へ促す。
「はいっす!」
勢いよく返事をする。
「いい返事だ」とヤーヴァスは微笑を返す。
「何をごちゃごちゃとやってやがる!」
グレイクはいきなり『火の矢(ファイアアロー)』を放ってきた。
カイバとヤーヴァスはそれ
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