暁 〜小説投稿サイト〜
トーゴの異世界無双
第九十四話 やればできるじゃんお兄ちゃんよ
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ヤーヴァスだった。


「キ、キサマ! コークはどうした!?」


 ヤーヴァスの相手は、自分のパートナーであるコークがやっているはずだった。


「奴なら、あそこだ」


 ヤーヴァスは、地面に臥(ふ)しているコークを指差す。
 どうやら完全に倒されたようだ。


「くっ……この役立たずが!」


 グレイクは忌々(いまいま)しそうに舌打ちをする。


「くそ! 何が起こっている! 何だこの状況は!」


 闘悟は取り乱しているグレイクを見て、マイクを拝借(はいしゃく)して一言だけ言った。


「だから言ったろ? てめえの思い通りになんかさせねえって」


 グレイクはハッとなって闘悟を睨みつける。


「キ、キサマのせいで!」
「おい、相手を間違えんなよ」
「何ぃ!」


 カイバが息を乱しながら立ち上がり声を発した。


「トーゴと闘いたきゃ、俺を……俺達を倒せよ!」
「そうだな。今は我々が貴公(きこう)の相手だ」


 ヤーヴァスは頷き肯定する。


「ぐ……ならぶっ殺してやる!」


 グレイクは目を血走りながら睨みつける。
 啖呵(たんか)は切ったものの、ハッキリ言って体に残るダメージでもうフラフラだった。
 いや、たとえ全快でも実力の差が大きいので、まともにやれば勝ち目なんて無い。
 だから今自分にできることはこれしかなかった。


「はあ、はあ、すみませんヤーヴァスさん、ちょっと頼み聞いてもらっていいっすか?」
「……何だ?」


 視線を逸らさず問う。
 息を飲んでカイバはヤーヴァスを見つめる。


「サポート、頼めますか?」


 すると、少し目を閉じ考える仕草をする。
 カイバは黙って見つめる。


「……何が起こっているか、いや、起こったか分からないが、どうやら、この場を収めるのは少年が相応しいようだ。それに……」
「え?」


 ヤーヴァスがいきなり目を開き視線を向けてくる。
 その鋭い目つきで体を硬直させる。
 だが、フッと軽く息を吐くヤーヴァスを見て、呆気にとられる。


「何すか?」
「それに、いい顔をしている」


 先程とは違ってと、ヤーヴァスは言外(げんがい)に込めている。
 その言葉の意味を把握できずポカンとする。


「全力で応えてみよ。あの者達に」


 視線を闘悟達の方へ促す。


「はいっす!」


 勢いよく返事をする。
 「いい返事だ」とヤーヴァスは微笑を返す。


「何をごちゃごちゃとやってやがる!」


 グレイクはいきなり『火の矢(ファイアアロー)』を放ってきた。
 カイバとヤーヴァスはそれ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ