第78話 =ラストバトル=
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「……このまま寝てもいいかな…」
いや駄目だろ…と自分で自分に突っ込んでベッドからゆっくりと起き上がる。長時間同じ姿勢でいたためか首を回すとゴキッと音がし固まっているのがわかる。
数回首や肩を回して筋肉的なものをほぐすと壁にかけ掛けてあったダウンを羽織って下へと降りる。すると今から出かけようとしていた和人とそれを見送ろうとした直葉が玄関にいた。
「キリ…和人、アスナは?」
「無事に助け出せたよ。…そっちはどうだった?」
「バッチシだね」
軽く拳を上げてこっちも成功したってことを和人に示してから、直葉へ向き直る。和人は本当に待ちきれないのか玄関の扉にすでに手をかけておりせわしなく動いていた。
「あのさ直葉…その、ありがとな。あの世界で出会わなかったらここまで来れなかったよ」
「フフッ……お兄ちゃんと同じ事言ってる。でも、あたしこそありがとうだよ。あたしもあの世界で2人の役に立てたの、ホントにうれしかったもん。………陸也も、ユカさんを取り戻せたんだね」
「あぁ、一歩間違ったら死ぬところだったけどね…」
「…死ぬ?」
「そ、そこら辺は帰ってきてから詳しく話すよ」
危ない危ない、余計なことを話して余計に心配させるところだった。あそこでずっと刺されっぱなしだったら多分あいつの性格のことだ、どんどんペイン・アブソーバ下げてって最後には痛みで死んでいただろう。
「…あ、ちょっと待ってて……」
直葉はそういうとてとてととリビングへと歩いていき1分もしないうちに出てきた。だがその手には行くときには無かったサンドウィッチを優しく掴んでいた。それをありがたく頂戴するととりあえず一口かじって靴を履く。その様子を見た和人は俺の準備が出来た瞬間にドアを開けるのでそのせいで冬の冷たい風が一気に体に当たる。
「…さ、寒っ!!」
ジャケットなんて意味ないんじゃないかっていうくらい冷気が体を襲ってくる。と、突如上から何かが降ってきてそれに対して直葉は小さく口を開いた。
「あ……雪…」
直葉の声に頭上を見上げるとそこには無数の白い塊がフワフワと落ちてきているのが判る。通りで寒いわけだ…寒いの苦手なのにな…。
「…和人、タクシー呼ぼう……」
「いやこれ、自転車で行ったほうが早いだろ」
確かに和人の言うとおり今から呼んでもここに来る時間+向こうに行く時間となるのでそれだったらいろいろ近道使える自転車の方が時間的には短い。俺も無駄金は使いたくなかったのでしぶしぶだがそれに従い外へ出る。
「気をつけてね陸也、お兄ちゃん。…ユカさんとアスナさんによろしくね」
「ああ、今度ちゃんと紹介するよ」
「じゃ、行ってきます」
そう直葉に声をかけて俺と和人はそれぞれの愛
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ