第78話 =ラストバトル=
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えるのでまだ人はいるらしい。叩いて気付かせようと思ったがその前に和人がスライドドアを見つけ、押すとありがたいことに開いてくれた。
「あの…すいません!!」
談笑が聞こえるナースステーションへ大声で叫ぶといぶかしむような表情をしたナースが2人出てくる。が、俺たちの格好を見た瞬間にその表情は驚きへと変化する。
「どうしたんですか!?」
「駐車場でナイフを持った男に襲われました。男は白いバンの向こうで気絶してます」
その途端、ナースに緊張が走りドタバタし始めた。数人の警備員とナースが外へ行き、若い方の人もそれに続いてエントランスへと向かっていった。残った看護婦は俺たちを見て何を勘違いしたか知らないけど「結城さんの家族」と言ったが細かいことは言ってる暇ないのでとりあえず肯定しておく。
「ドクター呼んでくるからちょっとここで待っていてください」
そういって最後の一人も姿を消してしまう。ナースステーションで無人は問題だろと思いながらしぶしぶ待っていようとするが和人がそれを許さなかった。
「…あのー和人さん?」
「もう待ってられないからな……ほら、お前の分も」
「…うわぁ」
呆れてものも言えないが待てないのは同じ気持ちなので素直に受け取って看護婦が向かった先とは別の方向へ足を進ませる。運のいいことにエレベータは1階に会ったのでボタンを押して素早くその中へと乗り込む。静かな上昇音が響く中俺はどうしても和人に聞きたかったことがあるので口を開く。
「なぁ和人」
「どうしたんだ?」
「もし…お前の知り合いにためらいもなく人を殺せるやつがいたら…?」
「……それってどうい「ん、やっぱいいや……」…何がしたいんだよ」
ジト目で見られるが正直和人の答えを聞くのが怖い。そして答えを聞いた後、もし俺がまたあんな感じになったらって想像してまた怖くなった。軽く身震いさせるとその瞬間停止して扉が開く。アスナとユカの部屋まではあと数十メートルだがその距離がいつもよりか長く感じ、さらに歩くスピードを遅らせる。
「……」
「……」
もう、お互いが自分の助けたい人のことで頭がいっぱいなのか歩いている中、会話はない。でもそれでも確実に歩を進めるとようやく俺も和人もそれぞれの部屋の前まで来ることが出来た。和人はもう待ちきれないかのように1回落として慌てながらカードをスリットに差し込んで部屋に入っていく。それを見送ってから俺もカードをスライドさせるために取り出そうとするがなぜか手が全然動こうとしない。
【…緊張……してるのか?】
不意に頭に声が響いてきた。その声に、声を出さずに答える。
『まぁ…そうかも…』
【大丈夫だって。……あいつは絶対に起きてるよ】
『…そう…だ
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