第78話 =ラストバトル=
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、体全体も震えてくる。
「…ぁぁ……あぁぁ……ああぁ!」
自分で自分が恐ろしくなって頭の中がこんがらがる。何で…俺…夢じゃない…ましてやここはあのデスゲームの中でもないし…なら何で俺はこんなことを?
「誰だ!そこにいるのは!!」
その時、突然光と共に男の人の声が聞こえた。その方向を見るとそこには堅苦しい制服に身を包んだ警備員らしき男の姿が。彼はすぐさま駆け寄ってくると俺と認識したらしく「こんな時間にどうした」と聞いてきた。どうやらいつも病院に来るときに顔をあわせていたあの守衛さんらしい。
「……この人は…?」
「…きゅ、急に襲われて…」
「そうか。……怪我してるじゃないか」
俺の怪我を確認した守衛さんは突然携帯を取り出すとどこかに連絡し始めた。この守衛さん、なんか偉い人らしく無理やりだが怪我の治療をさせろと何度もいっていた。しばらくして話し合いも終わると持っていた手錠で廣田の両腕を固定する。
「雄護君、君は早く中に入りなさい。そしてドクターにその怪我を見てもらいな」
「……は、はい…」
守衛さんはそういうと廣田の持っていたナイフをしまい、廣田を担いで病院の入り口とは真反対の方向へと歩いていった。あの方向に関係者以外立ち入り禁止の扉でもあるのかは知らないけど…。
でも、あの人に声をかけられたおかげで何とか気持ちを落ち着かせることが出来た。とりあえず、俺も先に行った和人を追おうことにした。
―――――
寒さのおかげか、もう痛みはない。なのでできる限り全力で病院へ向かい駐車場に差し掛かる。するとそこにはスーツを着た男性がうつぶせで気絶しているのとその横で立っている見覚えのある少年がいた。
「……和人……」
「陸也か……須郷に襲われてさ…」
どうやら和人も俺と同じくここに倒れている人間にちょっかいかけられたらしい。和人の今の姿を見ると結構ぼろぼろだったから俺のように一方的に痛めつけたわけでもないらしいが。
恐らくあの守衛さんは廣田の方で忙しいだろう。ということで逃げられないようにと須郷のネクタイで本人の両腕を後ろで縛って、近くにあったナイフをどこかへ蹴る。
「……よし、行くか」
「…だな」
和人は足を踏み出してもなんだかふらふらしていた。それほどまでに須郷にやられたのか…という時点でさらに殺意が沸きそうになったが今度はそれを押さえ込んで須郷から視線を外して和人に肩を貸す。こうしてゆっくりだが確実に俺たちは病院へと向かっていった。
――――――
もうちょっとバリアフリー心がけようと思わせるほど広くて長い階段を時間をかけて登ると正面エントランスへと繋がる最後の短い道が。そこを歩ききって自動ドアの前に立つも反応はない。だがガラス越しに光は見
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