第78話 =ラストバトル=
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車(自転車)のペダルに足をかけて思いっきり踏み込んでこぎ始めた。
―――――――
どんどん降ってくる雪の中を運転をちょっとでもミスったら転んでしまうほどのスピードで失踪させ病院へと向かう。雪のおかげで交通量も少なく横断歩道じゃないところを渡ったり、信号無視をしたりとちょっとした交通違反をしてもそんなに危なくは無かった。そのまましばらく走ると高度医療機関である例の病院が見えてきたので駐車場のさらに奥の端に自転車を止めて、和人とともにナトリウム灯がぼんやりと光る道を走る。
「そういやさ、今警備員に見つかったら俺たちどうなるんだろ」
「怒られて…締め出される?」
ふと気がついて走りながら聞くと和人は冷や汗っぽいのを流しながら小さく答える。まぁ、ほとんど不法侵入だしそのまま見逃してくれるわけもないか…。
「んで、お前は何でラケットバッグ持ってるんだよ」
「……気にしないで」
いつものくせでバッグに入れてしまい、病院に着くといつものように肩に背負って今和人につっ込まれたんだ。いやぁ無意識って怖いね。でも少し走るのには邪魔だが今から戻って置いて来るのも時間かかるしなんだかんだラケットって高価だから今から戻って戻してくるのも気が引ける。ということでこのまま持っていこう。
「…そろそろかな」
「なら、早く行かないとなっ!?」
と、さらに踏み込んだ瞬間左腕に不思議な熱い感覚が走り、思わず腕を押さえながらバランスを崩してズサーっと転んでしまう。地面を見ると紅い液体がゆっくりとだが地面の雪を染めていっている。そしてそのまま顔を上げると俺の目に映ったのはどこかで見たことのあるような…というか絶対に見た顔だった。
「…お前……廣田か…!?」
スーツはだるだるで、髪の毛はぼさぼさ、手にはいくつもの溝のある刃物を紐のようなもので無理やり縛っているという前に会った姿とは別物だがそれでもかろうじてか、廣田だと認識してしまった。だが俺の言葉に答えずに、その手に縛り付けてある銀色に光ったナイフを振り下ろしてきた。なんとかそれを横に転がることで避けて勢いそのままに立ち上がって改めて対峙した。
「…和人、先行って……」
「……でも」
「いいから!……こいつは俺が決着つけないといけないと思うし……」
「…わかった……でも絶対追いついてこいよ!!」
そういう和人に親指を立てるとうしろで何度も地面を蹴る音が聞こえた。どうやらちゃんとアスナのもとへと向かってくれたらしい。まるで「ここは俺に任せて先に行け」という死亡フラグを立てた気がするけど…。
「キヒッ……かっこよく立ちふさがって勇者様気取りかぃ?」
「別に。アンタなんかにあいつとアスナが会う時間とられたくなかったからね…。ってい
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