ファントム・バレット編
Crimson Ammo.
顛末・Period2 ―動き出す歯車
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る何からしいが、生憎俺は別件で忙しい身だったので、関知するところではなかった。
道路を走ること数十分。民間警備会社のビルに偽装された『ホークス・第三師団』の本拠地の回転扉を潜り、何時もの地下施設に入場する。
その最奥、普段全く使われる事の無い『会議室』の前のコンソールで生体認証を行い、中に入室する。
円卓の机が置かれた部屋の中には6名の人物が居た。
ホークス総帥 武田将
副総帥 金城烈
第一師団隊長 藤原暁
副隊長 安藤海
第二師団隊長 宮武静司
副隊長 清水遊菜
「すみません。お待たせしました」
招いたホストが一番遅れていたようなので、この場は素直に謝る。
幸い、この場にいる面子は時間に厳格な性格ではないし、彼が多忙である事も心得ているので、ポーカーフェイスで頷くか愛想笑いをしたのみだった。
彼は用意された末席には座らず、持参した書類を一人一人に配ると、壁のスクリーンを起動した。
「……まず、事前に報告申し上げた通り、私は8月4日における『ヴァレリー破壊指令』に背き、機体を回収。第三師団にて精密調査しました。結果はご覧の通り、『ココ』からのハッキング、及び遠隔操作でした」
「ふむ……。本来ならばあるまじき事だが……。いや、賢明な判断だったと評価すべきか」
「恐れ入ります、総帥。……詳細は時間もないことなので、各人確認をお願いします。さて、ここからが本題です」
赦された自分の背反を暗に『些末な事』とした語調に一同が苦笑やら厭きれ顔をするが、螢はそんな事を気に止めない。
「もうすぐ1年になりますが、『トライデント』の件、どうやら進展がありそうです」
「本当か!?」
「何処に!?」
「落ち着いて下さい。場所は……」
ソコは意外な場所。この場に居る人物達はソコで何が行われているのかを十分に承知していた。
同時に理解した。ソイツ等の考えている事を。
「納得、して頂けましたか?第三師団が長らく、主張し続けた事を。『トライデント』はココに有ってはいけない。例え、稼働データであっても。それは『ヴァレリー』然り、『アマリリス』然り、『ナイト』然りだとゆうことを……」
「「「……………………」」」
一同がショックの余り言葉を失った中、その場で最年少の人物は凛然と告げる。停滞を警告するために、絶望から奮起させるために―――
「我々は裏からこの国を守る者達。故に我々が闇を祓わなければなりません。……『トライデント』の件は私にも非があります。どうか、それを禊ぐために、皆さんの力を貸して頂けないでしょうか」
後世の書記官はこう綴る。
『真に場を治める者とは《戦わずして勝つ》事が
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