ファントム・バレット編
Crimson Ammo.
顛末・Period2 ―動き出す歯車
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。
幸い、警察はすぐに来て犯人――新川恭二は逮捕された。
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2日後、というか事件が一旦収束したのは約40時間前なので、正確には1日半と少しだろうか。
「あー………」
ボンヤリ靄のかかった頭を働かせようと、エギルの経営する御徒町のバー《ダイジー・カフェ》の辛いジンジャーエールを一気に飲み干す。
「……お代わりか?」
「ああ……。頼むわ」
追加料金を手で弾いて渡すと、スッと新たなジンジャーエールが出てくる。それもまた一気に飲み干し、それでも晴れない思考に鬱々としながら待ち人を待つ。
待ち人とは和人に朝田詩乃。彼らは詩乃の学校で合流後、銀座の例の店で菊岡から報告を受け、それからここに来る予定だ。
俺の後ろでは明日奈と里香がその到着を今か今かと待っている。
ここに詩乃を連れてくる目的は大まかに3つだ。
@例の身体接触の言い訳(主に和人のため)
A明日奈や里香に詩乃を紹介する。
そして3つ目は……
―――カランカラン……
「いらっしゃい」
エギルが見事なバリトンで応対し、人が2人入ってくる。
「おそーい!」
「悪い悪い。クリスハイトの話が長くてさ」
「待ってる間にアップルパイ二切れも食べちゃったじゃない。レイの奢りで。太ったらキリトのせいだからね」
「な、何でそうなるんだ」
ちなみに、奢ったのではなく、奢らされたのだ。そこを履き違えないで欲しい。
2人のやり取りをにこにこしながら聞いていた明日奈は慣れた様子で2人の口論に割って入った。
「それより、早く紹介してよ、キリトくん」
「そうだな。……こちら、GGO3代目チャンピオン、シノンこと朝田詩乃さん」
「や、やめてよ」
詩乃は小声で抗議するが和人は何処吹く風で言葉を続ける。
里香、明日奈と順にひど目な紹介をし、俺に目を向ける。
「んで、アレが人外の戦闘狂、レイこと水城螢……おわ!?」
最後のは、小さくなり始めた氷を一粒和人の眉間を狙ってぶん投げたのをかわしたためだ。
反省したのか、次のエギルは単純明快に《壁》と紹介したのだが、何故か本人はお気に召さなかったようだ。
何はともあれ、これでまた1人、仲間が出来たわけだ。
「さてと……」
「え、レイ君。もう帰っちゃうの?」
「ああ。もう俺に用事はないだろ?それに、今日はちょっとばかし忙しいんだ」
「そっか。じゃ、また明日ね」
「おう。それじゃあな、シノン。また何処かで」
「うん」
詩乃がコク、と頷くと俺は店の外へ出る。これから和人がなそうとしてること、詩乃の銃へのトラウマに直結す
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