ファントム・バレット編
Crimson Ammo.
顛末・Period2 ―動き出す歯車
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と仁王が2人、俺を睨んでいた。
「えっと……。安岐センパイ?コレは一体……?」
「君、アミュスフィアをいじくって、危険なことしたんでしょ?当然じゃないかな?」
「あ、やっぱし?」
ゴゴゴとどす黒いオーラを放っている藍原にシバかれた俺がベットで沈んでいると、今度は和人が何事か騒ぎ始めた。
「螢、起きてくれ!!シノンが危ないかもしれない!!」
「ん……?」
声が必死なのでやむ無く起き上がると、和人は矢継ぎ早に話始めた。
待機ホールでシノンと話してみると、家は湯島でここから意外と近いこと。友人に医者の息子がいて、念のためその子に来てもらうこと。
「医者……なるほどな」
「警察はクリスハイトにすぐ動かしてもらうとして、俺達だけでも先に行った方が良いような気がする」
「……そうだな」
体に貼り付いた電極を無理矢理引き剥がし、上着を羽織る。
「藍原、総務省のあの眼鏡にこの事を伝えろ。俺はコイツと一緒に行く」
「了解」
「明日奈は今日のところは帰るんだ。多分、俺達は事情聴取とかで戻ってこれないからな」
「……明日、じっくり話を聞かせてもらいますからね」
不承不承といった感じだが、意地を張っている時間は無い事は理解している明日奈は見かけは素直に引き下がった。
「さて、準備できたか?」
「ああ。急ごう」
和人は明日奈に目線で謝ると、病室の扉を開けて廊下に飛び出した。
時間が惜しいので俺のバイクに和人がタンデムし、シノンの自宅、湯島のアパートに着いたのはログアウトしてから約15分後だった。制限速度?なにそれ美味しいの?
アパートの敷地に入った所でバイクを停め、和人が先に降りる。
階段を駆け上がり、登りきった時、扉の鍵が外れた音がした。しかし、人が出てくる気配は無い。
「どこだ!?」
「慌てんな、少し待て……」
神経を研ぎ澄ませ、遮蔽物――扉の奥の音を拾う。
『――サ――ア―――サン』
「……見つけた。奥から2番目だ」
和人がすかさず目的の扉を開け放ち、中へ飛び込む。鈍い打撃音と物が落ちる音。
「大丈夫か!?シノン!!」
「キリ―――「おまえ……おまえだなああああああ!!」」
死銃の片割れ――シノンの友人というソイツが甲高い声を上げながら和人に飛びかかる。手には何やら液体の入った高圧注射器。おそらくそれが本当の《死銃》なのだろう。
スッ、と気配もなく和人と犯人の間に体を滑り込ませると、注射器を手刀で叩き壊し、もう片腕(当然かた〜い義肢の方)でアイアンクローをかまして沈めた。
「おい、今左腕でやらなかったか?」
「や(殺)ったけど?」
何か問題でも?と、首を傾げると何が気にくわないのか和人はガク、と肩を落とした。変なやつだな
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