ファントム・バレット編
Crimson Ammo.
顛末・Period2 ―動き出す歯車
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その小さな声は震えていた。明日奈はそれに首を振り、和人の手に端末を滑り込ませると、優しくそれを包んだ。
「そんなことないよ。ユイちゃんの手もきっと届くよ。一緒にパパとにぃを応援しよう」
明日奈は目を閉じ、氷のように冷たい手をありったけの想いを込めて握った。
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Sideキリト
轟音に気を取られたのか、死銃の刺突が微妙にぶれる。心臓を狙ったのであろうそれは、そこよりやや下、左脇腹に刺さろうとしていた。
「うおぉぉぉぉぉぉっ!!」
体を時計回りに捻ってそれをかわし、死銃の懐に入り込む。残念ながら光剣を振るう間合いは無かったので、突っ込みの勢いを殺さず、そのまま体当たりを敢行した。くの字に吹き飛ばされた死銃が体勢を立て直す前に光剣で切り伏せるべく、さらに追撃をかけるが、死銃はスルリと後退しながら、エストックを構え直した。
再び訪れる膠着状態。その間が俺の記憶の奥深くを刺激し、忘却された記憶が溢れてくる。そう、あれはラフコフ討伐作戦の前、《聖竜連合》の本部で行われたミーティング。要注意人物として上げられた首領の《PoH》、毒ナイフ使いの《ジョニー・ブラック》、そして刺突剣《エストック》使いの―――
「――《XaXa》。お前の名前は《赤眼のザザ》だ」
そう言いながらザザに向かって走り出す。同時に夜空を赤いラインが駆け、ザザの額に突き刺さった。《弾道予測線》、本能的に相手をすくませる、実体の無い攻撃。――《幻影の一弾》
勿論、ザザにも俺を誤射する危険を犯して狙撃するわけがないのは分かっていただろう。しかし、ヤツは名前を呼ばれた事で動揺していた。
不意に左手に仄かな温かさ――よく知っている誰かの体温――を感じ、手が自然と動いて腰のファイブセブンを抜き放つ。
フルオートで斜めのラインで放たれた弾丸はザザの意識の虚を突き、遠心力そのままに叩きつけられた光剣の一撃がザザを派手に吹き飛ばした。
ザザが地面に叩きつけられた、その刹那、白い閃光が視界を包み、同時に第3回BoBは終了した―――
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Side螢
最終的に巨大エイリアンにプチッ、と潰されあと数秒でシノンが攻撃範囲に入ってしまうという所で大会が終了し、何とか優勝シノン、2位キリト、3位ステルベン、4位俺。に持ち込む事が出来た。中々骨が折れるダイブだったので、このまま寝落ちするかと考えていると……
――ゴスッ
「ぐほぉ!?」
腹部に強烈な痛みを感じて飛び起きる
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