暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
ファントム・バレット編
Crimson Ammo.
顛末・Period2 ―動き出す歯車
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Sideレイ


「ふぅ……」

シノンをゆっくりと地面に下ろすと、地面に膝を突きたくなるのをこらえ、ため息だけに留めておく。

「すまん、1匹残した」
「……アレ以外倒した事が既に人間じゃないから」
「ひどっ」

呆れ顔のシノンから容赦ないツッコミを受けて、少しへこむ。
もくもくと煙をたてる岩山の残骸の上に小さく【DEAD】のタグを見つけ、ホッと息を吐いた。

「さて、散々苦労してMobここまで引っ張って来たはいいけど……どうしよ」
「どうしよって、あんたねぇ……」

土煙の向こうからはのそっと巨大な影が立ち上がる所だった。怒りのあまり赤い目を爛々と光らせ、体中の筋肉を膨らませている。
やがて、頭をこっちに向けてレイの姿を認めると、口を開いて咆哮をあげた。
どうやら相当自分にご執心な様子なので、早々に『逃げる』という選択肢は諦める。

「……よし、シノン。とりあえず逃げろ。でもって………そうだ!!」

思い付いた咄嗟の作戦にシノンは驚き、しっかりと頷いた。








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Sideキリト

銀光と薄紫の軌跡が両者の間を結び、暗い闇を切り裂く。
一見互角に見えるその応酬は実際のところ、均衡していない。

「くぅ………」
「クク、もう、限界か?期待はずれも、いいところだ」

キリトのHPバーが既に4割を切っているのに対して、《死銃》は7割強を維持している。
剣の腕は間違いなく俺の方が上だ。だが、現状の差を生んでいるのは、パリィ不可なのと不安定な砂漠地帯のせいでステップも回避もままならないせいだ。
さらに言えばシノンの元に向かった《ボッシュ》の事も気掛かりで、目の前の敵に集中出来ていない。

「無駄だ。お前は、何も、出来ない。……そうだな。1つ、いいことを、教えてやろう」
「……何?」
「ラフコフが、出来る、少し前の、事だ」

死銃は赤いアイレンズの奥で目を細め、懐かしむように語り出した。

「ボッシュは、ヘッドに、気に入られ、ラフコフに、誘われた。まぁ、俺を含めて、殆どの、奴等は、そうなんだがな。……でだ、ヤツは、何と言ったか、分かるか?」
「……さぁな。どうせろくな事じゃないんだろうけどな」
「クク。確かに、ろくな事、ではなかった。……あの時は、誰もが――ヘッドですら――、絶句した……『うん、いいよ。ただし、Pohさん。貴方が俺に触れられたらね♪』とな」
「………っ!!」
「決着は、ヤツが、ラフコフに、入っている、事から、分かるだろうが……あの戦いは、互角、だった。もっと言えば……ヤツは、最後、手を、抜いた」

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