第一物語・後半-日来独立編-
第三十三章 辰の地、戦火は走る《4》
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達は片手に腰に下げていた短剣を握り戦う。
辰ノ大花の者達は元々刀を持っているため、それで応戦していた。
鉄と鉄がぶつかり、弾ける音が響くと同時に雄叫びの声が上がる。
疲れを吹き飛ばすような、勢いを上げるようなそんな声が周りから聞こえる。
これが戦闘だ。
一瞬たりとも油断出来無い、視界を、手を、足を動かし敵を倒す。
元々、戦いを好む獣人族特有の感覚が目覚めていく。
敵が来て刃物を振り下ろすのならば、直線的な軌道を読み、避け、横から腹部へ拳を捩じ込ませる。
骨の無い腹部への打撃は、瞬時に腹筋に力を入れなければ腹を押さえ、衝撃が内臓に届いてしまいしばらくは踞る程の痛みだ。
楽しんでいるためか、自然と拳に力が入る。
敵が男でも女でも関係無い。戦場に立っているのであれば敵は敵だ。
女相手には手加減しろ、と言われるかもしれないがそれは間違いだ。それは相手が女と言う見た目だけで弱いと判断する、最も危険な判断だ。
如何に弱く目えても、能ある鷹は爪を隠すと言われるように本当は強いかもしれない。
弱そうに見えて実は強い、と言うケースの敵はかなりの実力者だ。
実際に会ったことはないが、そう思うしそう教えられた。
だから手加減はしない。どんな敵が来てもいいように。
しかし、自分でも敵わないものや苦手とするものは多くいる。
その一つが、
「この音は?」
大気を切り進むような音が聴こえる。
周りの音でよく聴こえないが、耳がそんなような音を捕らえている。
答えを知らせるように、周りに映画面|《モニター》が表示された。
『緊急報告! 今、君達の元に辰ノ大花の騎神が近付いてるよ。数は三機、その内二機は量産機だけどもう一機が隊長機だ』
「ちょっと待ってくださいよ。ここで騎神と戦えるのって神具を持ってるネフィアだけですよ。一人で三機も相手にさせる気ですか」
映るレヴァーシンクに声をぶつけるロロアに対し、もう一つの映画面が表示される。
そこにはアストローゼとニチアが映っている。
『そんな無理なことはさせるか。日来周辺の戦闘艦は私達でどうにかする、だから入直とマギトをそっちに向かわす』
『そう時間は掛からないと思うけど、無事生き残ってね』
「他人事! 仲間なのに他人事で済まされましたよ!」
『貴重な空中戦力を渡すんだ。少しは礼を聞きたいものだな』
はいはい、と話を無難に流す。
睨んで来たが映画面はすぐに消えたため、続いている戦闘へ戻る、
そんななか、レヴァーシンクはネフィアに言う。
『今いるところだと騎神との戦闘で周りにも被害が出る。だから、そこから真っ直ぐ東側へ行くと町民グラウンドがあるんだ。そこまで騎神を誘導出来るかい』
「一機なら余裕ですのに、三機となると難しいですわね。まあ、
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