暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
黄巾の章
第13話 「今のお姉ちゃんは、桃園で誓ったお姉ちゃんじゃない気がするのだ」
[7/7]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
表しているような気がするのだ」
「私の……こと」
「『頭を使って考えろ。それが良い将の条件だ』。これもお兄ちゃんの言葉なのだ。だから鈴々は、今のお姉ちゃんのことを考えたのだ。今のお姉ちゃんはおかしいのだ」
「鈴々!」

 にゃー……愛紗が顔を真っ赤にして怒り始めたのだ。
 お姉ちゃんは、呆然としながらブツブツと呟き始めたのだ。
 ……本当に、これでよかったのかは、わかんないのだ。
 でも……でも、お姉ちゃんは、劉備玄徳なのだ。

「愛紗にも鈴々は言いたいのだ」
「な、なに!?」
「お姉ちゃんを甘やかしちゃだめなのだ。最近、愛紗はお姉ちゃんへの小言が減っているのだ。だからお姉ちゃんが、考えるのをやめてしまったんじゃないかと思うのだ」
「わ、私のせいだというのか!?」
「せい、とういうわけでもないのだ。でも、愛紗もどこかお兄ちゃんにまかせっきりな気がするのだ。”お兄ちゃんはお姉ちゃんの臣じゃないのだ”。なのに、いつも『第一の臣である』と言っている愛紗がお姉ちゃんを正さないでいいのか、と思うのだ」
「なっ…………くっ!」
「鈴々は、今まで楽しければよかったのだ。でも、それだけじゃダメな気がするのだ。だから鈴々は考えることにしたのだ」

 愛紗は、お姉ちゃんを見て、鈴々を見て、天を仰いだのだ。
 にゃー……言い過ぎたかもしれないのだ。

「ごめんなのだ、二人とも。でも、たぶん、間違ったことは言ってないと思うのだ。もし、間違っているなら鈴々にも言って欲しいのだ。だって、鈴々たちは義姉妹なのだ」
「鈴々……」
「…………」

 愛紗は、鈴々を申し訳なさそうな、悔しそうな眼で見ているのだ。
 でも、桃香お姉ちゃんは……ずっと呆然としたままブツブツと呟いているのだ。

「……お姉ちゃん?」
「? と、桃香様?」
「…………」

 お姉ちゃんは、鈴々と愛紗に何も言わず、どこかに歩いていったのだ。
 その背中は……まるで母鳥から離された小鳥のように、小さく見えたのだ。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ