黄巾の章
第13話 「今のお姉ちゃんは、桃園で誓ったお姉ちゃんじゃない気がするのだ」
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、それでね? 翠ちゃんが董卓軍の客将ということで、私と同じで霞ちゃんの副官扱いになるんだって」
「ほう。翠どのは、てっきり西涼に戻られると思っていたのですが」
「まあ……今の翠ちゃんはご主人様から離れたくないだけだけどね」
「は?」
「あ、なんでもないなんでもない」
一瞬、愛紗の眼が紅く染まったのだ。
ちょっと怖かったのだ……
「それにしても桃香様……よろしいのですか?」
「なにが?」
「最近、ご主人様が全てをお決めになっているようですが……」
「うん。だって、ご主人様の考えって間違いがないもん」
「いや……確かにそうですが」
にゃー……?
なんか、今の愛紗の言葉、どこかで聞いたような……
「私より頭のいいご主人様、それに朱里ちゃんや雛里ちゃんが言うことだもん。間違いないよ」
そう言って、ニコニコと笑うお姉ちゃん。
あれ?
あれれ?
「にゃー……なあ、お姉ちゃん」
「ん? なに、鈴々ちゃん」
桃香お姉ちゃんは、ニコニコと笑ったままなのだ。
でも……なんかおかしいのだ。
それは……
「鈴々なー、お兄ちゃんに前言われたのだ」
「? なにを?」
「『自分で考えるのをやめちゃいけない』って言ったのだ。お姉ちゃん、今自分で考えるのやめてないか?」
「!!」
お姉ちゃんは、愕然と眼を見開いたのだ。
隣にいた愛紗も、ハッとしているのだ。
「二人とも、お兄ちゃんに頼りすぎなのだ。鈴々は、お兄ちゃんを頼りになるお兄ちゃんだと思っているけど、愛紗はともかく、お姉ちゃんは……お兄ちゃんを、まるで神様かなにかと思っているように鈴々には見えるのだ」
「そ、そん、なこ……」
「白蓮お姉ちゃんの所から出発したとき、これはお姉ちゃんにとって好機だって言ってたのだ。なのにお姉ちゃんは何もしないのか? お兄ちゃんはお姉ちゃんをできるだけ立てるようにしているけど、お姉ちゃんはお兄ちゃんになにかしてあげられているのか?」
「…………」
「鈴々……」
「朱里や雛里はお兄ちゃんの臣だと言って、自分からいろいろ動いているのだ。鈴々や愛紗はお兄ちゃんの矛として動いているのだ。お姉ちゃんは何をしているのだ?」
「わ、わた、し、は……」
「今のお姉ちゃんは、桃園で誓ったお姉ちゃんじゃない気がするのだ」
「!!」
「鈴々! 言葉が過ぎるぞ!」
呆然としているお姉ちゃんの様子に、愛紗が叫ぶのだ。
でも、鈴々はこれだけは言っておかなきゃいけない気がするのだ。
「ごめんなのだ。でも、鈴々はお兄ちゃんを師匠として尊敬することにしたのだ。そのお兄ちゃんが鈴々の為に言ってくれた言葉は、しっかり覚えているのだ。その言葉と、お姉ちゃんの今を見ると、まるでお姉ちゃんのことを
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