黄巾の章
第13話 「今のお姉ちゃんは、桃園で誓ったお姉ちゃんじゃない気がするのだ」
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行うべきもんやしな。賈駆っちの話じゃどこかの勅史か相あたりが妥当か、と言っとったが……」
お!
勅使……もしかして、中山国あたりの土地に封ずるてことか?
歴史どおりなら……ただの尉だったはずだが。
軍属の尉ではなく、政務に携われる勅使ならば拠点が持てる!
(だが確実に歴史が変わってしまう……どうする?)
この世界が過去ならば、俺たちは存在が消されるか……?
いや、ここに俺たちが存在している以上、パラドックスは他の人々の変化になるかもしれない。
……先輩や向こうの皆が、消える可能性もあるだろう。
だが……俺は……もう向こうに未練が、ない。
今の俺には……一刀さえ無事ならば。
……
…………
………………
少々危険だが……覚悟を決めよう。
「もう……場所も決まっているのか?」
「いや? 黄巾の連中が片付いた後になるやろうから、具体的には何も。なんや、希望でもあるん?」
「ああ……実は」
俺は前々から考えていた事を霞に話す。
もしこれが成るなら……歴史は変わる。
俺は、例え先輩たちに殺されても……
それが一刀の為ならば。
―― 張飛 side ――
「はむはむはむはむはむ……」
「喰いすぎるなよ、鈴々。糧食とて限りがあるのだからな?」
「わかってるのだ、愛紗。鈴々は腹八分目にしておくのだ」
「……それで五合飯をおかわりか。せめてその飯櫃で終わりにしておけ」
愛紗がそう言って、ご飯を運んでくれていた給仕係の兵に手で合図しているのだ。
ああ……鈴々のご飯が……
「にゃー……ラーメンが食べたいのだ」
「いい加減にしないと太るぞ、鈴々……都の中には入れんのだ、諦めるしかあるまい」
愛紗はそう言って、お茶を啜っているのだ。
鈴々は育ち盛りだから、まだまだ食べたりないのだがなー……
「あー、いたいた。愛紗ちゃん、鈴々ちゃん」
「あ、お姉ちゃん!」
「桃香様。もう議は終わったので?」
「うん。結局、あと二、三日で捕虜になった黄巾さんたちを移送してから、私達は各地の黄巾討伐をすることになったよ」
「それは……」
「にゃ? つまり今まで通りということだなー?」
「「!?」」
にゃ?
お姉ちゃんと愛紗が、鈴々を驚愕の眼で見ているのだ?
どうかしたのか?
「り、鈴々ちゃんが……」
「物事を的確に捉えている……」
「二人とも、すごーく失礼なこと言ってないかー?」
鈴々だって成長してるんだからなー!
「と、ともかく……そういうことですね、桃香様」
「う、うん! そうそう!」
二人とも、誤魔化し方が下手なのだ。
「あ
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