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SAOもう一人の聖騎士
追想〜悩む侍と驚愕する聖騎士〜
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今日はちょっとした用でエギルの経営するダイシー・カフェの近くへ行ったので、軽い昼飯がてらエギルと世間話でもしようと思い少し立ち寄った日だった。

「ようエギル、久しぶりだな。おお、新メニュー作ったのか、味見してやるよ」

「そいつぁ有り難いが、ちゃんと代金を払えよ?千二百円なりだ」

ちっちゃっかりしてやがる・・・・・・・とぼやきながらもいつも頼んでいるポークビーンズと新メニュー、『運任せパスタ』を頼んだ。
ん?隣のイケメンなサラリーマンが食べているのはその『運任せパスタ』ではないか。彼が食べているのは普通のナポリタンだが、だからと言って俺にもナポリタンが出されているとは限らない。本気でシェフであるエギルの奥さんの気分でパスタが決まるのだ。

「今回は飛びきり強烈だそうだからな・・・・・・・気を付けろよ、『クラディール』」

驚きの余り、ポークビーンズを食べていたスプーンを取り落としてしまった。

「あんた・・・・・・何で俺のその名前を・・・・・・」

「すまん、へんな事を言ったか?あの地獄で、命を預けあった仲だろ?」

「おいクラディール、間違いのないよう言っとくが、そいつはクラインだぞ?」

はい?このイケメンがクライン?
改めてこのイケメンを改めて見詰める。目は大きく、鼻筋は高く通っていて顎先などは少女の様に小さいが、不思議と女々しい雰囲気は感じさせない。それどころか、歴戦の武者のごとき雄々しさを感じさせた。

「本当だって。なんならお前の使ってる剣の銘だって当てて見せようか?」

間違いない、彼はクラインだ。俺を踏み留まらせ、キリトを励まし、攻略組を導いた英雄の一人だ。

「で、久しぶりにリアルで会って旧交を温めようって訳じゃあないんだろ?どうしたんだ?」

途端、クラインは驚いた様な顔をしたして、己の顔に出ていたと気付いたのだろう、慌てて体裁を取り繕ったが、腹を括ったのか覚悟を決めて話してくれた。

「実は俺・・・・・・彼女が出来たんだ」

「「・・・・・・・はぁぁぁぁぁぁぁ!?」」

俺とエギルの声が見事に被り、ダイシー・カフェを揺さぶった。

「何ですってぇぇぇぇ!?」

扉を蹴破るように開けて、カフェ店内に押し入って来たのは・・・・・・・リズベットだった。

「あんた本当にクライン?あの野武士なの?」

などなど言いながらリズはクラインの顔をじろじろ覗き込んだり、体を触ったりしている。・・・・・・おい、一応こいつも彼女がいるんだぞ?

「ね、彼女の写真見せて?」

クラインが見せてくれた写真の彼女は、意外な程の美人さんだった。おい、クラインにこのクラスの彼女さんはもったいねぇだろ。

「ようし、決めたわ!」

ぐっと拳を握り、リズが高々と宣言し
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