第三十六話〜手紙〜
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機動六課の一同は辺り一面が暗い中、ライの過去を見ている間は認識できなかった自分の体を確認し、そして視線を自分たちとは少し離れた位置に立っている人物に向ける。
そこに立っている女性はライの過去に度々出てきた女性、そしてルルーシュにギアスを与えた魔女、C.C.である。自分に視線が集まったことに気付いたのか彼女は話し出す。
「お前たちが今のライにとっての守りたい存在か?」
その質問には誰も頷くことができなかった。なぜなら、今の自分たちはライに大切にされる資格があるのか分からなかったからだ。
返事に困る彼女たちを見ていたC.C.は呆れ顔で一つため息をつくと再び口を開く。
「まぁ、それはいいとして、これから見せるのはゼロレクイエムの後にあの世界がどうなったかの記録だ」
C.C.のその一言に全員が反応する。そんな彼女たちを無視し、C.C.は彼女たちにゼロレクイエムによって造られた世界を見せる。
その世界はライが望んでいた平和があり、笑顔があり、皆が明日という未来に向かって歩いていた。
そしてライについての真実を知った一部の人間は彼を想い、涙を流していた。しかしそこで立ち止まることだけはなかった。
その映像を全て見終わるのを確認したC.C.は彼女たちに忠告を送る。
「一つ言っておく。今、見たものは絶対にアイツには伝えるな」
彼女の言う“アイツ”というのが誰であるのかは、そこにいる誰もがすぐにわかった。そしてC.C.はどこか憂いを帯びた表情で彼女たちに最後の言葉を残す。
「アイツを……ライを好きになれとは言わない。だが……せめてアイツを許してやってくれ」
その言葉を聞き終えると同時に彼女たちの視界は再び暗転した。
機動六課・食堂
彼女たちの視界が戻るとそこは、ライの過去を見る前にいた食堂であった。時間を確認すると、過去の記憶を見始めてから十分ほどしか経っていなかった。
そして意識が戻ると同時、彼女たちは様々な反応を見せる。涙を流す者、悲しい表情を浮かべる者、どこかバツの悪い顔をする者。そして、そんな中一番暗い表情をしていたのはライであった。
彼は何かを諦めているようにも、全てを受け入れているようにも見える表情をしていた。ライは未だに感慨に耽っている彼女たちに言葉を投げかける。
「僕をこれからどうしたいのかは、貴方たちで決めてくれて構わない。僕は逃げないし、逆らわない」
そこで一旦言葉を切るとライは食堂から退室しようとする。そして食堂の入り口辺りで立ち止まると再び口を開く。
「僕は屋上にいます。話し合って結果が出たら教えてください」
それだけ言うとライは今度こそ食堂から姿を消した。
ライが退室した後、
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