第四章 空白期編
第百五話 『誘拐されるツルギ。激怒する一同』
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月にツルギを出産したんだ。
出産現場には士郎しか立ち会えなかったけど部屋の中から聞こえてきた産声を聞いた時は感動したもんだな。
リインなんか感動しまくって涙を流していたほどだ。
そんな事を思い出しながらツルギが乗っている乳母車を押している時だった。
なにやら不穏な気配がするなぁ…。
なんだ? 誰かに見られている感じがする。
でも魔力の気配はしないからただの人間か?
するとたちどころにあたしとツルギは変な黒づくめの集団に囲まれてしまった。
「…なんだ、てめーら?」
あたしが殺気を出して威嚇するが慣れているようであまり効果は見られなかった。
「…お前達を人質にしてさらわせてもらう。恨むなら月村とバニングスを恨むんだな」
「あー…」
…なるほど。話は読めた。こりゃ最近アサシンとライダーのおかげで誘拐されなくなったすずかとアリサの代わりにあたしとツルギを誘拐しようという魂胆か。
そしてあわよくば人質を増やしていくという算段だろう。
あたしがこの場で全員ねじ伏せてもいいんだけどそれだとなんか面白くないな…。
こういう奴らは一人いたらGのごとくいっぱい出てくるといった感じだからな。
ここはひとまずおとなしく人質になっておくとしようかな。
それに念話で伝えれば士郎やシホは般若のごとくこいつらを倒しに来るだろう。
それまで待とう。少し演技も入れておこう。
「ふ、ふざけんな! あたしとツルギに手を出したら承知しねーぞ!?」
「気丈なお嬢ちゃんだ。だがもう我らはどんな手を使っても作戦を成功させないといけない!」
「やめろー! ツルギから離れろー!!」
と、演技をしながらも捕まるあたしとツルギ。
…ふん。地獄を見ればいいさ。
怒ったら怖ぇからな。士郎達は…。
◆◇―――――――――◇◆
Side 八神はやて
なかなか帰ってこないヴィータ達を心配しているアインスが家の中にいた。
「…ヴィータ。どうした? もう二時間以上も帰ってこないじゃないか? ツルギをそろそろおむつを替えて寝させたいというのに…」
アインス、焦りすぎや。
オロオロとし過ぎやで?
そこにもうすでに全員帰ってきていた他のみんなはというと、
「ヴィータがこんなに遅いとは珍しいな…」
「ヴィータちゃん、ツルギ君を連れ回しているのかしら…?」
シグナムとシャマルがそう心配していた。
それで私は提案というように、
「そんならヴィータに念話をとってみるか? 妨害がない限りは繋がると思うしな」
それでヴィータと思念通話を行う。
《ヴィーター? 今どこにおるん…?》
《はやてか…? いや、今はちょっと場所は分かんない》
《…どないしたん? なにか揉め事か》
《みんなに
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