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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六幕 「二振りの剣」
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た! 織斑くんと残間くんの専用機!」
「お届けに参ったよ。さぁ急いで乗りたまえ、すぐに初期化と最適化処理を始めなければ」

少し遅れて目の前に運ばれてくる2機の機体。一機は青と灰色のカラーリングがなされた機体。
もう一機は黒を基調とし、所々桜色のアクセントをつけた色彩だ。
両機とも訓練機とは明らかに形状が違うが、それは当たり前だろう。
何せ男性操縦者のデータを取るために製造された新型機なのだから。

「ところで山田先生、そっちの人は誰ですか?」
「私は・・・まぁチカとでも名乗っておくか。しがないIS技術者だよ。そっちのでかい羽がついてる方の機体・・・白式改の開発を手伝った」

ユウの質問に、山田先生ではなく本人が答えた。年齢は山田先生とそう変わらないように見える程度に若く、くたびれた白衣に身を包み眠そうにISを指さすチカさん。眼の下に少しクマが出来ている辺り、かなり忙しかったのだろう。
なるほど、倉持技研のスタッフなのかと納得しかけた所で――

「・・・ん?チカ?どっかで聞いたような・・・」
「お前が聞いたのは恐らくIS開発に協力していた正体不明の技術者の事だろう」
「ああ、そういえばそんな話も聞いたことが・・・って、織斑先生?」

奥の方から織斑先生がやってきた。その顔は心なしか少しだけにやけている。そして先生はおもむろにとんでもない爆弾発言をぶっ放した。

「資料でも篠ノ之束が“チカくん”と呼んでいたこと以外一切不明の存在、その正体がコイツだ」

チカくん。それはISという画期的なスーツがまだ脚光を浴びる少し前、当時はまだ無名だった篠ノ之束博士の口から出た開発協力者の事を指す。“くん”という二人称から男性である可能性が高いこの技術者は、ISが脚光を浴びた後も一切表舞台に現れなかった。そのため中には実在を疑われたり、男でも使えるISを作るためにその正体を必死に探った国もあったが、成果は一切なし。都市伝説扱いに等しい存在・・・だった。少なくとも今まで僕の中では。

「あ!なるほど〜・・・って、ええええええええええええええええええ!?」
「え?え?え?この人が・・・あの幻の技術者の!?実在・・・してたんだ・・・!あ、あの!サインください!」
「・・・千冬さん、あまり人の正体言いふらさんでくれますか?あとサインは駄目です」
「えーと・・・チカさんと先生はどういうご関係で?」
「旧友かな?」
「どこぞの天災のストッパー仲間だ」
「その役割の殆どを私に押し付けてる人が言いますか・・・」
「これは異なことを。お前以外に誰がアレを正面から止められるというのだ」
「千冬さんもやってできないことは無いでしょうが!」

したり顔の織斑先生に慣れたようにツッコミを入れるチカさん。仲良いんだろうかこの二人。

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