第5章 契約
第63話 龍の巫女
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当は、タバサの時にも、湖の乙女のようにシノブの直ぐ傍らに眠って貰えた方が同期させ易かったのですが、シノブが彼女の隣で眠る事を強く拒否したから妙に時間が掛かって仕舞ったのです】
俺の思考が【念話】として漏れ出たのか、それとも、分霊としての彼女が本来扱えないはずの、オリジナルのダンダリオンが持って居る職能。相手の心を知る、……と言う職能が発動したのかは判りませんが、それでも、ダンダリオンがそう答える。
ただ、同期。そして、俺の隣で眠るって。
そう言えば、タバサは何故か、俺に対して自らの隣で眠る事を進めて来る事が多かったような気もしますが……。
【肯定。相手の呼吸に合わせて、精神も重ね合わせるように行う。元々、タバサとシノブの間には強い縁に因る絆も繋がれていた上に、使い魔契約に因って、彼女はシノブの主人と言う属性も得ていた】
またもや、俺の思考を読んだかのような【答え】を返すダンダリオン。もっとも、その辺りは今のトコロ、そう重要な事では有りません。今、重要なのはタバサの事。
そして、もし、その先を行うのなら……。
「もしかして、その先は、心臓の鼓動さえも同期させたと言う事なのか?」
そうやって実際の言葉にして、その場に居る全員に問い掛ける俺。まして、本当の意味で同期すると言うのなら、間違いなく……。
【肯定。起きて居る時のシノブは直ぐに視線を外す、呼吸を乱す、鼓動を早くする。本当にヘタレで訓練ひとつ出来なかったから、タバサには最初に呼吸を合わせて、最後には鼓動も合わせられるように成って貰ったのです】
そして、俺の予想通りの【答え】を返して来るダンダリオン。
確かに呼吸を合わせる事は誰にでも出来ます。しかし、心臓の鼓動まで同期させられるのは……。
そんな事が出来るのは最早人外。人ならざるモノ。
これは、つまり……。
「成るほど。タバサが吸血姫に覚醒した最大の理由は彼女の家系に関係する物やけど、出会ってから短い時間で覚醒に至った理由は、その訓練の性か」
その同期と言うのは、同時呼吸法と言う初歩の仙術の訓練。そして、其処から心臓の鼓動を合わせると言う事は、また違う仙術。
まして、最初にダンダリオンが言ったように、タバサは俺の主人と言う属性を得て居ます。これは、通常は双方の力関係に因り、俺の方にタバサの気が流れて来る可能性の方が高いのですが、彼女と俺の場合にはその心配は有りません。
そして、男性で有る俺が作り出した陽の気を女性のタバサが受け取るのですから、これは理にも適って居ます。
それに、そもそも、俺の呼吸のペースは深く長い。更に、鼓動も通常の人間よりはゆっくりとしたペースで打つ存在。仙人の修業を積んだ龍種と言う非常
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