第一章 【Re:Start】
第一話
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位が低いのは知ってますけどね」
「? 何のこと」
「思っても伝わらなければ意味ありませんからね。思ったことを言う、肯定するだけ、何て泥沼ですよ。その人のことを思うなら正すって意味を知らないと。……逸れましたがまああれです、つまり、もう少し私に優しくしてもいいんですよ?」
「優しくしている。少なくとも、あなたの順位は凄く高いよ」
「それはどうも」
「でも、そう思われたのなら善処する。色々と気をつけてみる。――話を戻すけれど、来ないなら、このままここにいても意味がない」
「……ですね。それがいいかもしれません」
カバンから地図を取り出す。
ふと、そんな二人に声がかかる。
「なあ、今レイフォンって言ったか?」
声の主は男子生徒、制服を見る限り武芸科だ。どこか落ち着きがないようにそわそわしている。後ろでは男子生徒二人がニヤニヤしながらクラリーベルたちに話しかけた友人を見ている。クラリーベルもアイシャも容姿は良い。話しかける機会でも見ていたのか。
「ええ、言いましたが。知っているんですか?」
「知っているっていうかさ、少し前にそいつを探している人が居たんだ。確か生徒会の人間だったと思う」
「生徒会……?」
何でそんなことになっているのか。まさか迷子になったあいだに何か問題でも起こしたのだろうか。子供か。
「確か生徒会の女性だったはずだ。『レイフォン・アルセイヌ、イヌイヌ犬犬犬』って叫びながら走っていた」
「多分その人だと思いますけど……ヌ? というか何故そんなことに」
「それは知らない。寧ろ知りたいくらいだ。走っている途中、フッとその人の視線が俺の方向いてさ。すぐどこか行ったけどそれで覚えてたんだ」
男子生徒の方を見ながらふむ、と考える。嘘ではなさそうだ。迷子ではなく何かやらかしたのだろうか。
「じゃあ、その後どうなったかは」
「俺は知らないんだけど……」
相手の視線が一瞬、背後の友人へと向かう。
「あいつらが見たらしくてさ。その女性がレイフォンって呼ばれた奴と楽しそうに会話した後、手を引っ張ってどこかに行ったらし――」
「あ゛???」
思わず、とでも言うべきか。気づいたら出ていた濁った声に男子生徒の声が止まる。
もしその事が本当なら、自分たちのことをほっぽってその女性に付いていった事になる。それはいかんともしがたい事実だ。信じたくはないが、何故だか簡単にその場面が想像できてしまうのが嘆かわしい。少し強く押せば簡単に流される、日常のレイフォンの気概などその程度だ。
相手は生徒会だと言った。ならばその女性は年上だろう。レイフォンは年上の女性に弱い、というか強く出られない。より正確に言うなら年上というよりは気がしっかりしている女性にだが。恐らくリーリンの影
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