第一章 【Re:Start】
第一話
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か何かだろう。自分を責めるようなことは何一つないのは確定的だ。
こんな風に怯えて、振り払えないからダメなのだ。約束には遅れてしまうが、生徒会からの呼び出しともなればしょうがなくもある。後で謝ろう。
緩んだ力を悟るように、再度手を引かれレイフォンは歩き出す。
「ね。ちょっとだけ、ちょっとだけだから! 中入ってお話するだけだから! 何もしないから!! さきっちょだけだから!!」
……気にするだけ無駄だったかもしれない。
明らかに怪しすぎる誘い文句に引きずられながら、レイフォンはそう思った。
「お腹がすきました!」
他称ネコ科、クラリーベルの咆哮。その拳を受けたテーブルが揺れ、上に置かれた水の入ったコップが揺れる。衝撃に僅かに跳ねたコップ。それを対面に座るアイシャが抑える――自分の分だけ。
「む?」
トンッ。小さな音。そして倒れていくコップ。気づいたクラリーベルが小さくうなり声を上げる。ある程度飲まれたとは言え、まだ半分以上中身の入ったそれが傾いていく。
瞬間、クラリーベルの手が動く。既に半ば傾ききったそれ。普通の人間なら間に合わず、そして起こる惨劇。だが、武芸者たるクラリーベルは違う。凄まじい速さで手が前へと伸び、一瞬のうちにその手の中にはコップが収まっていた。
速さ故の慣性で、正面にいたアイシャの顔に水をぶつけて。
「……」
雫を垂らし、無言の瞳がクラリーベルを見つめる。
「ごめんなさい」
「別にいい。気持ちはわかる」
ハンカチで顔を吹きつつアイシャは答える。それを見てクラリーベルは水を一気に飲み干して気持ちを落ち着かせる。
二人がいるのは学生食堂の一つだ。時刻は既に昼時。かなり広い空間は学生で溢れ、周りの席はどれも埋まりテーブルの上には弁当や学食の料理などが乗って賑わっている。だがそんな中、早めに来れて運良く席を取れた二人のテーブルの上には水しかなかった。断食をしているわけでも弁当があるわけでは決してない。
空のコップを咥えながら周りを見渡し、クラリーベルがつぶやく。
「何でいないんですかねー。私たちより先に出たはずなのに」
「クラスの違う私に言われても困る。そっちは一緒だったはず」
「そうですけど……道にでも迷ったんですかね。うむむむむむ」
三人は入口の辺りで待ち合わせをしていたのだが、いつまで経ってもレイフォンが来なかったのだ。人が増えてきたのを見て席を確保、そこから人の流れを見ていてもずっとレイフォンは来ない。十分二十分と時間は過ぎ、食堂内では列もできている。
寝坊で朝も食べていない為お腹はいつも以上に空いている。テーブルに上半身を乗せ、疑問と苛立ちを示すようにクラリ
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