第二十九話『雨Vs風』
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何時の間にか保健室の入り口にラウラが立っており、セシリア達に近づく。
「あ、あんた何しにきt―――」
言葉を途中で止めた鈴音。何故ならラウラが深々と頭を下げているからだ。
「逆上し冷静さを見失い今回の事態を起こしてしまった……本当にすまなかった。この非礼はいつか必ず詫びる。どうか許して欲しい」
そのラウラの言葉にセシリアと鈴音は一気に沈黙し
「えっと……べ、別に頭下げる事じゃないわよ。それにこっちだって言い過ぎたかもだし……」
「……わたくしも悪かったです。あなたの部隊を悪く言って……ごめんなさい」
二人も軽く頭を下げ謝罪の言葉を言う。ラウラは頭を上げ、スウェンの方を向き
「それでは隊長、私はこれで」
そう言うとラウラは保健室を後にする。そして保険室内には微妙な空気が流れる。
「何か……拍子抜けって言うか何と言うか……」
「今思うとわたくし達の方が大いに悪かったかもですね……」
「ははは……」
先程までラウラに怒り心頭だったセシリアと鈴音が、まるで鎮火したかの如く沈んだ表情になる。シャルルはそんな二人の表情を見て思わず苦笑いをした。
/※/
自室へそれぞれ向かおうとするシャルルと一夏、そしてスウェンは廊下を一緒に歩いている。
「オルコットと凰、デュノアのISのダメージレベルがC……修復に専念させる為にトーナメントへの参加は認められんか。酷なものだな」
「まあ仕方ないよこればかりは。ところでスウェンは誰と組むの?」
「今考えていたところだが……織斑、俺と出場しないか?」
「え!? お、俺と!?」
「ああ、お前とならある程度の連携は取れるからな。良ければで構わん」
「いや、そう言ってくれるなら喜んで受けるよ」
「そうか、良い答えを聞けて良かった」
「決まりだね♪」
シャルルとスウェンは自室の扉の前に立ち
「織斑、また明日」
「おやすみ、一夏」
「おう、おやすみ!」
そうして自室へ入り、スウェンは手前のベッドに、シャルルは窓側のベッドにそれぞれ鞄を置く。
「今日はなんというか疲れちゃった……」
「俺もだ。色々作業をしていてな」
「あ、先にシャワー浴びてもいいかな?」
「構わん」
シャルルは着替えを持ち脱衣所の扉を開けようとするが途中で止め
「覗いたらダメだからね」
「覗くわけがないだろう。早く入れ」
「うん……ちょっと位前の事思い出して反応してもいいのに」
「何か言ったか?」
「ううん、何も」
そう言い残しシャルルは脱衣所へ入っ
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