第百五十二話 ヴァンフリート星域会戦 その1
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万一千隻か」
「はい、その為に此方としても4個艦隊を出すとのことですが……」
「ヤン大佐の持論で言えば、敵の3倍の戦力で押しつぶせと言いたいのだろうが」
「はぁ、敵と同数での殴り合いでは埒があきませんから」
「そうは言っても、おいそれと3倍の戦力を出せる程、同盟軍も戦力は潤沢では無いのだからな」
「判っています。4個艦隊に対して12個艦隊を出した場合、その後半年以上殆ど全ての艦隊はメンテナンス、補修、休養、再編成で稼働不能になりますから」
私の言葉に元帥も安堵したかの表情を見せる。私としても無理なことは無理だと判るつもりだから。
「そう言う事だ、数字や書類だけで判断すると碌な事に成らんからな」
「はい、同盟軍12個艦隊が全てが稼働状態に有る訳では無いのですから」
「所で司令部としてはどの艦隊を今回は出すのかね?」
「現段階では、ビュコック中将の第五艦隊一万三千隻、ムーア中将の第六艦隊一万二千隻、アップルトン中将の第八艦隊一万二千隻、ボロディン中将の第十二艦隊一万三千隻司令部直属艦隊五千隻の総五万五千隻を予定しています」
私の答えにシトレ元帥は驚いた表情を見せた、ロボス元帥は好き嫌いが激しい人物で自らの取り巻き連中を優遇する気合いが有り、実績のある第五艦隊司令官ビュコック中将、第十艦隊司令官ウランフ中将、第十二艦隊司令官ボロディン中将を余り使いたがらないのであるが、この所の小競り合いを含めた負け戦の累積がそう言っていられなく成ったのだろうと私は推測している。
「ほう、ロボスは今回は勝つ気でいる訳だな」
「そう思います。普段より遙かに気合いが入っていますから」
「なるほど」
帝国暦485年2月28日
■銀河帝国イゼルローン要塞
「聞いたかキルヒアイス又ぞろ要塞指揮官シュトックハウゼンと駐留艦隊司令官ゼークトがエッシェンバッハの前でやり合ったそうだ。嘸やあの威厳だけの姿で仲裁したのだろうな」
「ラインハルト様、お声が大きすぎます」
ラインハルトはキルヒアイスの忠告に笑いながら答える。
「心配するな、此処なら誰にも聞かれる訳がないからな」
「自室とはいえ、場所をお考え下さい」
「判った、キルヒアイスのいう通りにしよう。しかし余り気にしすぎると自慢の赤毛が白くなるぞ」
「はぁ」
“ラインハルト様がもう少し自重して頂けたらよいのですが”そう思っても言えないキルヒアイスである。
「しかしあのノルデンは何だ。あの様な阿呆に付いて居るのは人事局の悪意しか感じない!」
「単に配慮が足りないだけでしょう」
「何をしてもそれで良い、それで良いでは何をしたいかさっぱり判らないではないか!」
ノルデン少将のボケボケ振りにラインハルトは切れる寸前であり、その上ノ
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