ALO編
episode5 旅路、猫妖精領
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
猫妖精族領首都、フリーリア。
俺にとってはプーカ領を探索していた時代のノームに並ぶ仇敵だったためにかなり警戒していたのだが、それは取り越し苦労だと思われた。モモカに聞いたところによると、『空飛ぶ狩人』の連中のように積極的かつ金銭面関係なくPKを行うような種族は殆ど無く、あの火妖精だって狩る相手は一応は選んでいるらしい。
そんなこんなで安心していた俺達の予想は、あっさりと裏切られたのだが。
◆
「君タチのコンビネーションもスゴかったけど、やっぱりあの乱戦での動きはすごかったヨ! 前衛四人相手に被弾ほぼゼロ、その上戦線を上手く動かして後衛に落ち着いて詠唱をさせなかった。とて
もALOを初めてまだ数カ月なんて信じられないヨ!」
「ありゃアイツらが下手糞だっただけだ。敵さん連中『随意飛行』も満足にできない癖によく護衛付き牛車なんて襲おうなんて考えたもんだぜ」
「ヘタクソって言ったって、私達ケットシーの護衛達は完全に押されてたみたいだけどネ? それだけの腕を持っているのに、単なる行商人なのかナ、キミは? ケットシー領でならぜひ傭兵として雇い
たいくらいだヨ」
「ハハ。冗談言うなよ」
ケットシーの領主、アリシャ・ルー。
本来は俺なんかが望んでも会えないような大物が、こうしてやけに気さくに話しかけてくれるのは別に俺が出逢った瞬間に生じるタイプの好意を持たれている……というわけではない。
ケットシーの操るテイム生物によるアイテム運搬騎乗生物、『牛車』。
シルフの首都であるアルンからの交易をおこなっていた牛車が、唐突に野党に襲われているのを目撃し、……まあ、なんというか、ちょっとやんちゃをしてしまったからだった。全く、目立つのはあんまり好きじゃないし、得意じゃないんだがな。まあ、行商人なんかしておきながら何を言うか、とも思うのだが。
「ウーン、仲よくしとくといいと思うヨ〜、キミも移動が全然ラクになるヨ?」
猫妖精。敏捷性とテイミングに長けた、猫耳のケモノ妖精。
その最大の特徴は、やはり他種族にないMobのテイムの機能だろう。そこまで巨大なMobは基本的にテイムするのは不可能だが、それでもかなり多くの種類のモンスターや騎乗用生物を自分の使い魔や専用生物として扱うことが出来る。
今回俺が偶々目にした、『牛車』もその一つだ。
プレイヤーが羽を持ち、空を駆け回ることが売りのこの世界ではあまり流行らないだろうが、それでも一人では持ちきれないほどの重量級アイテムや大量のアイテムを使う行商人や交易人にはそこそこの使用があるらしい。
(そう言えば、あっちの世界ではそこそこに使われてたな、牛車……)
今は失われ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ