彼は天災だが、彼女と違って少し異常な一般人である
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?」
「さすがは更識家の当主といったところかしら」
そう言って姿を現したのはスコール・ミューゼルだった。
「まさか、まだ亡国企業が存在していたとはね」
「違うわよ。亡国企業は滅んだわ。あの子たちの裏切りによってね」
それは祐人の義妹たちだろう。
「だから、あなたには人質になってもらうのよ。彼に対してのね」
「―――まぁ、俺にばれている時点で人質になるも何もないんだけどな」
私たちは同じタイミングで声がした方に向く。そこには―――
―――誰もいなかった
「え?」
「チッ」
スコールは舌打ちして私の後ろに回り込んだ。私はそれを避けようとする、伸ばした長い髪を引っ張られて引き寄せられる。
「さて、このまま彼女に銃口を当てた状態で引き金を引いたらどうなるでしょう」
「お前の足に飛ぶだけだ。というか、俺は今お前の後ろにいるんだがな」
「え?」
スコールは私を突き飛ばしてそこから飛ぶ。だが、
「あんっ」
「キモッ」
祐人が姿を現してスコールを蹴り飛ばすと、スコールは喘ぎ声を漏らした。
「って、何で祐人が!?」
「唯一逃げたスコールを追っていたんだよ。するとどういう結論に至ったか、お前を誘拐することにしたらしく、案の定IS学園を張っていたらマジで来たってわけだ」
「・・・・・・まさか先読みされていたとはね」
「そりゃあ、俺は常識ある天災ですから」
そう言って祐人は銃を展開し、スコールが持っていた銃を弾き飛ばす。
「これで終幕だ」
―――ドォンッ
スコールは弾き飛ばされ、そのまま起き上がらなくなる。
「・・・・・・ゆう・・・と・・・?」
「ああ。ただいま、楯無」
そう言って彼は、私にキスをした。
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