川神学園 昼休み
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昼休み 川神学園 3−F
「くぁ〜……。よく寝たわー」
大きなあくびとともに机に突っ伏していた千李が起床する。
「すごく寝てたな姉さん。二限目からずっとだったろ?」
そんな千李を見ながら隣の百代が話しかけた。
こんなことを言ってるものの、百代もさっきの時間は爆睡していたのだが。
百代の問いかけに対し千李が目をこすりながら言った。
「ん〜?そうだったかな覚えてないわ。それより百代?お前、昼休み仕事があるんじゃないの?」
「ああ。そうだけど。今日はないんだ。だから学食に行ってくる。姉さんは行かないのか?」
百代が言うと千李は軽く首を縦に振った。
「ええ。ちょっと私は用があるから」
「そうか。じゃあまたあとでな」
「はいは〜い」
百代は昼休みになるとラジオに出演しているが今日はなかったようだ。
ほかにあと一人いるらしいが、今の千李にそんなことを気にしている暇はなかった。
百代が教室から出たのを見送った千李は席を立った。
「さてと。大和のところにでも行って、昼飯おごってもらうかな」
そう千李の用というのは大和に飯をおごってもらうことだったのだ。
千李は2−Fの教室に歩き出した。
2−F
岳人たちが食堂にダッシュしたところを見送った大和は、熊飼(通称、クマちゃん)に頼んでいたパンを食べようとしていた。
しかしパンが口に入ろうとした瞬間、大和の首筋に二つの柔らかいものが押し付けられた。そして知っている人物の声が聞こえた。
「大和〜。お腹空いたからなんか奢ってくれないかな〜?」
声の主は千李だった。
「せ、千李姉さん?ちょっとあの当たってるんですけど。その……柔らかいものが」
「ふふん。当たってるんじゃなくて。当ててるのよ……」
大和の耳元で千李がささやく。
千李の甘い声に大和は持っていたパンを離してしまった。
そこを見逃さなかった千李はすばやく手を回しパンをほおばる。
「あ!?」
大和が気づき声を上げるがもう遅い。
すでにパンは千李の口の中に納まってしまっていた。
「ぐまぐま。……んま!?何このパン?さくさくでうまいわ〜。ご馳走様。大和。」
「・・・オレの昼飯が一つ減った。」
大和はうなだれるが、千李はうまいものが食べられたのと、弟分をいじれたので楽しそうにしていた。
そんな千李を見ていた大和も落ち込む気もなくなったようだ。
「……まぁいいや。それで?千李姉さん奢ってくれって。お金持って来てないの?」
「うん。今日朝ルー師範代に預けたバックにいれっぱだったからね。一銭もないよ」
千李は大和の問
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