ALO編
episode5 旅路、火妖精領
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Mobを倒すにはちょっと魔力補正に不安があるんじゃないか? こっちのマント、《オーロラ・フレイム》なら火属性魔法に倍近い効果があるぜ?」
「っ、こ、これは、」
「杖だって、構えてるそれよりはいいモノ扱ってるぜ? 見ていかないか?」
「……っ、」
自分の装備をバカにされたメイジが、顔を髪と同様に赤く染める。世界樹攻略に向けて動いているなら、各個人のノルマで徴収される金額もバカにならないはずだ。必然、金銭でないアイテム獲得のためにクエストを受ける暇は削られ、いい装備を探すのは難しくなる。動きから見てプレイヤースキルはそこそこの様だし、そろそろいい装備がほしいと思っていたのか、男が言葉に詰まる。
その横から、メイジよりもがっしりした、長槍を携えた男が一歩進み出た。
「へえ、ジータクスのよりいい装備があるのかい。一介の行商人にしては随分品揃えがいいな? 俺は魔法戦士なんだが、いい装備はあるかい?」
「勿論。魔法は、火属性だろ? 武器? 防具?」
「んん、武器がいいか。重装槍で、魔法補正とかあるか? NPCショップじゃあんまいいの見当たらなくてな。いいのないか?」
「これがあるが、かなり重いな。重量級プレイヤーでも使えるかどうか……」
「ほお、どこで手に入れたんだ? 見せてくれよ」
こいつは思ったよりフレンドリーなようだ。すらすらと話し掛け、俺にカマかけてくるのも忘れない。体は完全に近接タイプのパワータイプだが、魔法も使うだけあって頭の回転もはやいようだ。おそらく「今は話を聞き出し、アイテムのレベルを見るべき」と判断したのだろう。
と、アイテムを広げる俺の周囲が、突然静寂に包まれた。
訝しむ俺の前で、周りの人垣が真っ二つに割れる。
おお、これが噂のモーゼingというヤツか。
その先を、ゆっくりと見やる。
「なんの騒ぎだ?」
そこにあったのは、槍の男よりさらに屈強そうな戦士が、こちらを睥睨している姿だった。
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