ALO編
episode5 旅路、火妖精領
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ob相手が精一杯、対人戦は到底不可能だ。
『行きたければ、ご自由に。ただし死なれた時はご連絡ください。貴方は各街でセーブをしていませんから、音楽妖精領まで戻ることになりますから』
「ああ、それなんだが、二人は大丈夫なのか? 俺死んだらここで残されることになるんじゃ、」
『私は一旦|鍛冶妖精領に戻って、再度プーカ領まで行きます』
「あ、私も大丈夫だよ! セーブも領内の家でしかしてないし、死に戻りするにしてもどうせ音楽魔法瓶とか演奏用の楽器とかしかもってないから!」
……いや、二人の持ってるアイテムも、決して安物では無いとは思うのだが。まあ、ここまで来て死に戻りなんて問題大ありにきまっているのだが、本人たちがこう言う以上、あまり強く出るわけにもいかないし、ほかに手があるわけでもない。そして、いやなことにこの議論は続ければ行き着く先は「俺が死ななければいい」だ。余計なプレッシャーは受けないに越したことは無い。
まあ、気づいている時点でプレッシャーにはなっているのだが。
――都市への行商。
言葉にすれば、それだけのこと。
それだけのことに、ここまで二人(ブロッサムはしてるのか微妙だが)が心配する理由は一つ。
この砂漠地帯を縄張りとする妖精、火妖精。
ここまでプレイした中で聞いたところによれば泣く子も黙る、飛ぶ鳥を落とす現在の最強勢力。
そして、敵対種族を、躊躇なく切り捨てる、非情にして冷血の、コアゲーマー集団。
俺が今から向かう行商の行き先が、そのサラマンダーの領地の首都であるガタン……噂によれば行商なんぞに行く迂闊者は皆斬られて身ぐるみ剥がされるとさえ言われる都市に、俺が赴くと宣言したからだった。
◆
そして、噂が真実であることは、身を以て即座に知ることになった。
「うおっと!!!」
普通に入ろうとして、横合いから前触れなく斬りかかられ、慌てて跳び退る。プレイヤーでは無い、NPCガーディアンだ。種族の領主によって設定できる、「領内の種族の立ち入り制限」で配置されるこの剣士は、街中に入ろうとする不許可種族に容赦なく斬りかかる。
その剣戟に、緊張感が一気に高まる。
「やべーな……。プーカってどこでも入れるんじゃなかったのかよ……」
ガーディアン。NPCに対する対応は、対人とは異なる一長一短がある。
まずこのALOにおいて、「立入不可」がガーディアンというシステムであるのは有難い相違だ。
確かにこいつらは無敵、一発でHPの大半を持っていかれるし、こちらのダメージは通らないが、俺のスピードがあれば、数回分の攻撃は回避できるし数秒であれば逃げ切れる。SAO世界でのシステム的な立
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