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一般人(?)が転生して魔王になりました
執事の正体、初代登場
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…貴様、妾の来歴を知っているのか?」


 怒気を込めながらアテナは問いを投げかける。


「無論、知っております。神々の頂点として君臨しておきながら、力を持つ男たちに謀反を起こされその地位を剥奪され、さらにはゼウスの娘と貶められた女神d」


 言葉は最後まで言われる前に終わった。

 アテナがその首を鎌で刎ねたからだ。

 シリウスの首は地に転がり、首を失った胴体は血を噴き出し、その部屋を赤に染めた。


「……妾の来歴を語るでない」


 忌々しい出来事を思い出させられ機嫌が急降下して行ったアテナ。

 その来歴を語っていた男の首を刎ね、戻ろうと踵を返し、階段を上がろうとするが


「……痛いですね」


 首を刎ねた筈の男の声が聞こえ、アテナの足は止まり、振り返った。

 そこには首を胴体に戻しているシリウスの姿が在った。 


「首を切り落とされるのは何年振りでしたっけ?まあ、随分昔の事だと記憶しているんですがね」


 年には敵いませんね。とシリウスはそう言いながら肩をすくめた。


「……貴様は一体“何”だ」


 警戒心を上げながらアテナは問う。目の前にいる男は危険だと智慧の女神としてのそれが囁いていた。


「智慧の女神であるあなたでも、初見では分かりませんか。なら――」


 足元が光だし、部屋を照らし出す。


「教えて差し上げますよ」


 そして、その部屋から二人は消えたのであった。
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