執事の正体、初代登場
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…くっ…! 思い…出した…さ。…この野郎……!」
頭の痛みのせいで足元でフラフラになっていた。
それでも、この頭痛の元凶を睨みつけた。
「そう怖い顔をしないでくれ。記憶を戻させ、話を進めるにはこっちの方が早かったからね」
そのお蔭でこっちは頭の中をかき混ぜられる様な痛いみを味わい最悪な目に遭ったぞ!
「―――じゃあ、僕が誰か分かるかな?」
「……御剣家初代当主_御剣桜華…」
「うん、思い出せたようで何よりだね。いやー、忘れっぱなしだと自分が誰かを説明しないといけないから面倒なんだよね」
やれやれだぜ。と言いながらこちらを見て、シリウスに視線を戻した。
「でさ、実際何をしたのかな、シリウス?」
それは俺も気になるので睨むのをやめて席に着き、シリウスの方に視線を向ける。
「まあ、何と言いますか。少しばかり事実を言っただけなんですよ」
「……いや、それだけであそこまで怒るものか?」
「ええ。落魄した女神の来歴を語っただけですからね」
「………そう言う事か」
少しばかり怒気を込めて蓮華は言った。ギリシャ神話を一通り教わり、八割ほど理解している蓮華はアテナの来歴も知っている。それが彼女にとっての最悪の出来事と知っているから口には出さないが。
「そう怒らないで下さい。流石の私でも“御剣千年の集大成である”『王』の怒りを真正面から受けてられるほど肝が据わっていないので」
シリウスは肩をすくめながらそう言った。
「ただただ、試しただけですよ。御剣の家を見守り、『王』である蓮華様の育てた女神がどれ程のものであったのかを。そして蓮華様をね」
「――で、結果はどうだい、シリウス?」
紅茶を飲みながら、桜華は元従者に問う。
「それはもう、大変満足ですよ桜華様。『王』としてはまだまだ未熟ですが、先を考えれば仕えるに足る主です。それに幾分も力を落とされているとは言え、流石は最強の女神と言ったところですね」
どうやら話が全然見えないが、全ては試されていたようだ。この二人――特にシリウスに。
「で、気になったんだけど実際何をどうしたら庭がああなる訳?」
「ああ、そうですね。話しますか。あれは―――」
そう言いシリウスは蓮華がカンピオーネになった日に何が起こったのかを語りだした。
◇ ◇ ◇ ◇
「智慧の女神である貴女からして見れば私は人に見えない者。しかしながらその在り方は人のそれ。御剣家専属執事_シリウス・F(フォルベルツ)・マクラーゲンと申します。以後お見知りおきを__落魄せし女神様」
「…
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