執事の正体、初代登場
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な存在が生まれたのだ。
そしてその考案し、魔術を作り出した魔術師は真っ先にシリウスに殺され、その研究を援助していた権力者も殺し、全ての研究データを破壊し、この世から葬り去ったのである。
そして、三百年ほど放浪した中、この御剣の家を紹介され、執事として雇われ四百年ほど仕事をこなしていたが、諸事情により屋敷の地下にある階層で三百年眠っていたそうだ。そして、俺が神殺しになった日に眠りから起き、この家の執事として舞い戻ったそうだ。
「――とまあ、このようにして今此処に居る吸血鬼モドキである_シリウス・F・マクラーゲンが居るのです」
「凄い人生だったんだな。…………ん? なあ、シリウス。お前誰に紹介してもらったんだ。あとどうして眠ったんだ?それにアテナと一体何があった?」
「それはですね―」
「最初の問いについては僕が紹介したから。次の問いは僕とちょっとした出来事に遭って、“一度”死んだから。そして最後の問いは僕も知りたいね」
シリウスが言葉を発する前に第三者の言葉によって途切れた。
声のしたほうを向くそこには一人の男が立っていた。年は二十四、五歳くらいだろうか? 黒いコートに、黒い手袋をつけ、黒い帽子を被った男が空いているソファーへと腰をかけた。
「お久しぶりですね_桜華様」
そこに居たのは見知らぬ男性であった。
「うん、久しぶりだねシリウス。で、覚えていないかもしれないから初めましてかな。御剣家現当主_御剣蓮華君」
「覚えていない…だと?」
こんな人間一目見ていたら忘れられない。何だこの男の呪力の量は!神や神殺しである俺以上だと!!
「あ、やっぱり覚えていなかったか。まあ、あそこは悟りを開いた人間くらいしかそこで起こったことを覚えられないからね。……仕方ない」
そう言うと桜華は懐から一つの小瓶を取り出し、瓶の蓋を開け、こちらに瓶を向け、息を吹きかけた。
すると瓶の中にあった液体は消えていき、瓶は空になった。
甘い香りが鼻腔をくすぐったが、次の瞬間脳に激痛が走った。
「……グッ!……何を…した……ッ!」
「なに、欠けている記憶を戻す為の霊薬を使っただけさ。暫らく痛いかもしれないが我慢してくれ」
蓮華はその言葉を聞く余裕も無いほどに頭痛は酷くなっていった。
灰色の空間、スレンダーな体つきをしながらも『女』としての魅惑さを感じさせる少女。そこで唐突に金縛りのように動けなくなり、その少女と話ていった男性の者と思われる声。そして、意識を肉体に戻させられた。
忘れていた記憶を思い出させるように脳を混ぜられたような感覚は最悪であった。
「…はあ……はあ…
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