暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross storys〜
episode of cross:接触
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妙な違和感という物を、感じたことはないだろうか。
例えば、路上で何もなかった所に少し目を離した間に人が出現していたり、その逆で消えていたり。
何気なく置いてある物が、ふと見てみると消えていたり、その逆で現れていたり。
怖い、恐い、強い、コワイ、コワい、こわい。
そんな感情とは少し違うのかもしれない。
あまりにゆっくりで、あまりに穏やかに。それは入って来るから。何の抵抗もなく、ゆっくりと。
じわり、じわり、と。入って来るから。
日常の中に住まう、非日常。
非日常の中に住まう、日常。
そんな経験はないだろうか?奇妙な違和感。奇異な既視感。
頭にもやもやとした暗雲のようなものがこびり付いて離れない。そんなことはないのだろうか。
日常にするりと入ってくる、非日常。
非日常にするりと入ってくる、日常。
例えるとするならば、この感じは何かを忘れていることを忘れているような時の心理状態に近いと思う。何かを忘れている、それは分かっている。
だが、それが何かを思い出そうとすると、全く頭に思い浮かんでこない。
もどかしい、じれったい、いらだたしい。だが、いくら頭を絞っても、零れ出てくるものは何もない。
おそらくそれを思い出さない限り、《ソレ》が自分の隣に居ようとも気が付かないだろう。
それが異様とも気付かずに。
それが奇異とも気付かずに。
気が付かない。気が付かない。気が付かない。
全く、気が付かない。
「んあ?
決闘試合
(
バトルロワイヤル
)
ぅ?」
シキは、隣に座るシンにオウム返しに言った。悔しいことに自分より実力が上の親友は、今日も絶賛跳ねまくりの髪をまったく気にせずに言った。
開け放たれている窓からは、もう初夏である朝の陽光が爽やかな新緑の香りとともに入って来ている。
「ああ、そうだ。何でも二十層あたりで大規模なイベントが近々あるらしい」
モーニングコーヒーをずずーっと啜るシキは、それを聞いて気だるげに言う。
「二十層ォぉ〜?超低層じゃん。やる気出ねぇな〜。どうせ決闘とか言うんだから、デュエル主体なんだろ?リーグ的な。めんどくせーなー」
現在の最前線である五十一層にある宿屋の一階、飲食店になっているそこに立ち並んでいる丸テーブル達。その一つの上に、だるーんと顎を乗っけてシキは愚痴る。
それに頬杖をついて、シン。
「そー言うなっての。結構有名どころが出場するらしいぜ?《六王》とか、な」
シンのその言葉に、机に突っ伏していたシキの耳がピクリと動いた。
それをどこか面映そうに見ながら、シンは口を開いた。
「……………マジで?」
「この間の五十層のボス戦
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