機動戦士ガンダムSEED
0234話
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の内容を知る事は出来ない。
「ほう、私も前にあのコロニーで研究をしていたんですよ。どんな本でしたか?」
だが、デュランダルの表情に特に変化はない。感情のコントロールが上手いのか、あるいはデスティニープランについての資料を完全に抹消して安心しているのか。……この男の場合は両方だろうな。
俺とデュランダルの会話を聞きながらも、レモンとムウは黙ってこちらの様子を窺っている。
「デスティニープラン」
「っ!?」
さすがにその単語を流す事は出来なかったのか、ピクリとだがデュランダルの表情が動く。
「どうした? 顔色が変わったな」
「いえ……その、計画をどこで?」
「言っただろう? メンデルでだよ。人間の遺伝子を解析し、その人が持つ先天的な適性と能力を調査し、その解析結果を基にその人に最適な職業を割り出す事が出来るか……確かにそれだけ聞くと、素晴らしい計画に聞こえるな」
「……」
俺の言葉に黙り込むデュランダル。その様子を見ながら、話を続ける。
「企業か何かで客として訪れた相手の遺伝子を解析し、その人物に向いている職業や能力を紹介すると言うのなら何も問題無い。だが、それをプラントや地球に住む人々に強制しようとしたその時は……再び俺達シャドウミラーがお前の前に立ち塞がるというのを忘れないようにしろよ」
「……ええ、そうしましょう」
何かを押し殺したような声でデュランダルはそれだけ言うと、軽く頭を下げて部屋から逃げ出すように出て行った。
その後ろ姿を見送りながら、溜息を吐く。
これでデスティニープランを諦めてくれればいいんだが……あるいは、レイやタリアと共にホワイトスターに移住して来るというのもありか。まだ別れていなければ、の話だが。あの2人が具体的にいつ別れたのかは原作でも曖昧なままだったからな。
「デスティニープラン、ねぇ。それもお前の歴史の流れを知る力で?」
「ああ。……もっとも、歴史は既に本来の流れから大幅に変わっている。もう俺の知ってる歴史の流れになる事は無いだろうけどな」
「へぇ、具体的にはどんな風に変わったんだ?」
「さて、な。それを教えるのは色々と刺激が強いだろうし、所詮既に変わった歴史だ。気にしても意味は無い」
まさか、ナタルの乗ったドミニオンのローエングリンで記憶を失い、ブルーコスモスの部隊指揮官になるなんて言える訳もない。例えそのローエングリンを撃ったのがナタルではなくアズラエルだとしても、だ。
「さて、取りあえずここでの用事は済んだ。そろそろアークエンジェルに戻るとしようか」
どこか誤魔化すようにそう言い、プラントからアークエンジェルへと戻るのだった。
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