四話
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を通すのではなく倒すために放つ。
揺れそうになるニーナの脳裏に同時に教えてくれた言葉が過ぎる。
『己を信じるならば、迷いなくただ一歩を踏み、ただ一撃を加えるべし』
その言葉を胸に刻み、足を踏み出し、技を解き放つ。
活剄衝剄混合変化、雷迅。
一陣の風となり、刹那の光となり、轟きを従えた雷光となって駆け抜ける。
進行上にいる狼面衆はニーナに触れる前に消滅していく。直接触れないものもニーナが纏った雷、そしてその速度が生み出す衝撃に打ち倒され消えていく。
ヴェルゼンハイムとの間を一瞬で踏破し鉄鞭を叩き込む。
炎を撒き散らしその身に届くと衝撃にその巨体が揺れる。収束点を中心として大きくその身が抉れヴェルゼンハイムの体が大きく飛び散る。
対してクララは狼面衆を無視して直接ヴェルゼンハイムを狙う。
師であるトロイアットはその場の気分で技名を変えるがクララにそういった趣味は無い。
レイフォンとの戦いでも使用した己の剄を光と熱に変える剄技。
外力系衝剄の化錬変化、昇曜光輝。
高圧縮された剄から放たれる特殊な波長の可視光線を、大気の密度を変えて作ったレンズで凝縮光とする技だ。
近くに寄ってくる狼面衆は燃やすまでも無く胡蝶炎翅剣で斬り裂く。
「うーん、思ったより効きが悪いみたいですね。……あら」
クララが造った陽球の隣に一回り巨大な陽球が並ぶ。
「先生、遅いご出勤ですね」
「そう言うな。お前が勝手に飛び出して行ったんだろう、元弟子。ま、確かにいまいちみたいだな」
師と話していると緊張感が無くなると思うクララ。トロイアットは寄ってくる狼面衆にもレンズを向け燃やしているが、出力としては倍以上になったにも関わらず、与える影響はそれほど増えた様には見えない。
「ウザ、ウザ死ね」
後方から幾筋も太い光条が伸びヴェルゼンハイムに突き刺さる。バーメリンの天剣『スワッティス』が剄弾射撃の最大出力で撃たれているのだ
「バンッ、バンッ、バンッ。ってとこかしらね」
アルシェイラも右手を銃の形に作り指先から膨大な剄を発射する。錬金鋼を使用していないがバーメリンと同等以上の威力を叩き出す。
貫通するまではいかないが穿った部分は肉を抉り内面を露にする。
「恒河沙に散り裂けろ」
万にも億にも届くとされる無数の鋼糸、その全てに十分な量の剄が乗りリンテンスの周囲で動く時を待っている。
通常鋼糸は一本一本では見ることも難しいがこれほどに集まると幾らかは見えるようになる。
剄を見た場合もっと苛烈で剄の煌きで中心に立っているリンテンスの姿が見えなくなるほどだ。
リンテンスの指と共に鋼糸が動きを見せる。リンテンスの周囲で幾つも円錐を作り上げ、指を僅かに動かすだけでヴェルゼンハイムに向けて殺到させる。
外力系衝剄の変化
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