第九十話 嫌な予感が当たっち待ったか
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美女なのにもったいないと闘悟は思う。
とてもではないが子供がいるとは思えない。
「いきなりこのような所まで押しかけて来て本当に申し訳ありませんでした」
声を震わせそう答える。
この場にいる者のほとんどが自分より遥かに身分が高いので委縮(いしゅく)しているのだろう。
「いえ、そのようなことは気になさらないで下さいです、カイバさんのお母様」
クィルが恐縮している彼女を気遣う。
「ありがたいお言葉ありがとうございますクィル様。私はリールと申します。先にも申したようにカイバの母親です」
深々と頭を下げてそのままの状態で言う。
「あの、それでオレを探していたんですよね?」
すると顔を上げたリールは安心したように頬を緩める。
「そうです。会って頂いて本当にありがとうございます」
「いやいや、頭を上げて下さい! オレは平民です、カイバとも友達で……と、とにかく気軽に話して下さい!」
こんなふうに美女から頭を下げられると、こちらが恐縮してしまう。
リールは顔を上げると闘悟を見つめる。
「じ、実は……」
言い難(にく)そうに顔を歪める。
それを見た闘悟は助けるように言葉を放つ。
「……カイバのことですね?」
その言葉を聞いて、リールはいきなり手で口元を押さえ、両膝をつく。
その様子に皆が驚く。
「カイバを……うちの子供達を助けて下さい!」
涙を流しながら必死に訴える。
誰もが言葉を失ったかのように硬直する。
その中で声を発したのはやはり闘悟だった。
「話して下さい。オレの考えが正しかったら急がなきゃならないですから」
闘悟は安心させるように微笑みながら言う。
「……はい」
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