第九十話 嫌な予感が当たっち待ったか
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訳ありません! こちらにトーゴ殿はおられますでしょうか?」
どうやら団員は闘悟を探しに来たみたいだ。
「いるが、どうしたのだ?」
ミラニがそう答えると、団員が言葉を続ける。
「実は、ある者がトーゴ殿と接見を望んでいまして」
「会いたいって……オレに?」
闘悟は皆と顔を合わせる。
皆もいきなりのことで首を傾げている。
「はい」
団員が頷き答える。
「どんな人?」
「本人はカイバ・バン・ハッセルの母親だと申しております」
「カイバの?」
「はい」
しばらく沈黙が流れる。
一体どうしてカイバの母親が闘悟を探しているのか、そこにいる者のほとんどが分からなかった。
だが闘悟は少し思いついたことがある。
朝からカイバの様子がおかしいことと無関係ではないような気がしたのだ。
「……その人はどこに?」
闘悟は考えても仕方が無いので、とりあえず会ってみようと思った。
「待って下さいトーゴ様」
部屋から出て行こうとするところで、クィルが声を掛けてくる。
「どうした?」
「はいです。良ければそのお方をこちらにご案内してはどうですか?」
「……いいのか?」
「いかがでしょうかお母様?」
クィルはニアに是非(ぜひ)を問う。
ニアはさも当然のようにすぐに頷きを返す。
「もっちろんいいわよ!」
「ありがとうございますです」
「ですが危険ではないでしょうか?」
「危険?」
いきなり団員が声を掛けてきたので、少し眉を寄せてミラニが聞き返す。
「はい。本人がそう言っているだけで、本当に母親なのかどうか判断できません。私がここに参じたのも、一応お耳に入れておかねばと思ったからでして、追い返すという判断も考えておりました」
「おいおい、そりゃねえだろ? せっかくオレに会いに来てくれたのに……」
「ですが……」
「大丈夫だって、ここにはオレもミラニもいるし。もしその人が何かしようとしても、何もできねえって」
団員が少し焦ったようにミラニを見る。
すると、彼女は軽く頷き連れてきてもいいという許可を与える。
「……分かりました。では少々お待ち下さい」
そう言うと団員はその場を後にする。
その人は間違いなくカイバの母親だった。
何故なら昨日カイバに教えられた人と姿が同じだったからだ。
変装などもしてはいない。
昨日視(み)た魔力と全く同じなので、完全に同一人物だという判断ができた。
ただ一つ気になったのは、彼女が今日のカイバと同じように暗い表情をしているからだ。
せっかく若くてネコミミ
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