第八十八話 カイバはどうしたんだ……?
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レートをしている。
どんな闘い方が自分達に有利か考えている。
しかし、一次予選もそうだったが、なかなか面白い趣向(しゅこう)が施されてある。
まさか、敵同士が手を組むバトル方式になるとは、誰も思っていなかっただろう。
「それでは、今から対戦相手を決定したいと思います! とはいっても何かをして頂くわけではありません! 実はもう対戦相手は決まっています!」
モアの言葉を聞き、全員が首を傾げる。
対戦相手が決まっているとはどういうことか?
ここに来るまでに特別なことをした記憶は無い。
どうして決まっているのか謎だった。
「何も難しい話ではありません! ではお願いしま〜す!」
モアがそう声を発すると、地面から音を立てて何かが競り上がってくる。
大きな石版のようなものだった。
皆が驚きの表情で見つめている。
音が止み、石版の動きも止まる。
「皆様! その石版に注目して下さい!」
言われた通り皆が石版に視線を向ける。
そこには文字が書かれてある。
「そこに書かれてあるのはトーナメント表です!」
よく見てみると、確かにトーナメント表だった。
そこには数字が書かれてある。
「その数字は昨日皆様に引いて頂いた数字です! そして、互いに隣に書かれてある数字が対戦相手です!」
皆が顔色を変えて自分の数字を探す。
この二次予選では、パートナー次第で有利にも不利にもなる。
個人戦では闘って勝てる可能性が高くとも、パートナーが悪ければ苦戦のみならず、敗北の可能性も上がってしまう。
だから皆は必死に自分の対戦相手を確認する。
チグハグなコンビと当たれば、勝率が上がるとでも考えているのだろう。
闘悟も同様に視線を動かす。
すると、半(なか)ばほどで見つける。
どうやら今回はドベにならなくてすんだようだ。
闘悟の番号であるSの隣にはKと書かれてある。
そう書かれてあるが、実際のところ誰がKなのか分からない。
他の者は分かっているのか、対戦相手を確認してホッとしている者もいる。
どうやら昨日一日で、自分に有利な情報を収集した者達がほとんどのようだ。
闘悟はもちろんそんなことはしてはいない。
それは闘悟の強さあっての楽観的余裕だが、普通は他の者のように情報戦を制することに躍起(やっき)になる。
少しでも自分の勝ちの目を増やしておきたいからだ。
そこでふとカイバを発見する。
何やら呆然とした様子で石版を見つめている。
「よ、カイバ」
しかし反応が無い。
いつものように鬱陶(うっとう)しいほどの絡みが無い。
おかしいと思い、今度は肩を手で掴み体を揺
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