第四章 空白期編
第百四話 『ファーストキスの話』
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いく。
吐息が近くで感じられるほどに近づいた二人は示し合わせたかのように同時に目をつぶる。
二人の手はすでに両手とも合わせられていて力強く握られていた。
そしてついに二人はその唇を重ねる。
「「んっ…」」
そしてしばし静寂が二人を包み込む。
キスをしている時間は少しのはずなのにかなりの時間が経過しているような錯覚に陥る。
二人は息が苦しくなったのか少しして唇を離す。
そして文頭の状況になっているのだった。
「…えへへ。初めてキス、しちゃったね…シホちゃん」
「そうね…。私も初めてのキスだから恥ずかしいものね」
二人がしみじみとそう言い合っているとなにやらひそひそと声が聞こえてくる。
それは教室の外でシホとすずかの二人はすぐに振り向き廊下を見る。
そこにはなのは達五人の姿があった。
五人とも「やばっ…!」という顔をしていて見られていたことを知ったシホとすずかは顔を赤くしながら、
「なに、見ているのよ!」
「みんな、いるなら言ってよ!」
『ごめんなさーい!』
五人はシホ達から脱兎のごとく逃げ出すのだった。
二人はそれでやれやれと言いながらも、
「これからも、仲良くしていこうね。シホちゃん」
「えぇ。すずか…」
こうして二人は今後、普通に軽いキスだけならする仲となる。
後になのは経由でその事を知ったフィアットはえらく落ち込んだという。
これがある意味オチなのかもしれない。
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