第四章 空白期編
第百四話 『ファーストキスの話』
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そこまでの関係までは行っていなかったのね。いやぁ、ウブねぇー」
「お、お姉ちゃん! からかわないでよー!」
「ごめんごめん、すずか。でも真面目な話、恋の相談なら付き合うわよ?」
「そ、それは嬉しいけど…まだ今は清らかなお付き合いをしていたいんだけど…」
「甘いわよ、すずか!」
ズビシッ!
「ッ〜〜〜!?」
おでこにデコピンを食らってしまい私は思わず痛みでうずくまってしまう。
「い、痛いよお姉ちゃん…」
「あらら。そこまで力は込めていなかったんだけどね。でもね、すずか。そんな悠長なこと言っているとフィアットちゃんに先を越されちゃうわよ?」
「フィアットちゃんに…?」
「そう。すずかはシホちゃんに告白しているから一日の長があるけどね。そんなものは余裕でもなんでもないわ。
突き放すくらいの行動を取らないとフィアットちゃんにすぐに追いつかれちゃうわよ。
すずかはシホちゃんがフィアットちゃんに告白されている光景を見たいの…?」
「それは…嫌だよ!」
そんな光景を私はすぐに想像してシホちゃんがフィアットちゃんに取られちゃうイメージが浮かんだ途端、私は大声で叫んでいた。
「そう。なら後は行動あるのみよ」
「行動…」
「そう。手をつなぐ次のステップとしてシホちゃんとキスをするのよ」
「で、でも…恥ずかしいよ」
「ああもう…いつもは大胆なのにどうしてこういう時に限っては臆病になっちゃうのかしらね、この子は。もっと大胆に行きなさい!」
そうお姉ちゃんに叱られてしまった。
でも、急にキスをしようと言われてもシホちゃんも簡単にしてくれそうにないし…。
「幸いまだシホちゃんも過去の話を聞いた限りではキスの経験もないらしいみたいだしシホちゃんとの初キッスをするとっておきのチャンスよ、すずか」
「そ、そうなのかな…?」
「そうよぉ。もっと自信を持っていきなさい。あなたなら出来るわ」
「う、うん…。頑張ってみる」
そうお姉ちゃんには言っておいた。
でも、いざこういう時になってみてやっぱり困る。
こういう時どんな行動をしてシホちゃんとキスまでのステップを登っていけばいいのか分からない。
出る時にライダーにも相談してみたけど、
「ふふ…スズカ。悩みなさい。悩んで悩んで、そして人はたどり着くものです」
なにか達観したような言葉をもらってしまった。
◆◇―――――――――◇◆
それから延々とそのことを考えながらみんなとの集合場所へと向かうとすでに全員は集合していた。
「あ、すずか。遅かったわね?」
「おはよう、すずかちゃん」
「おはよう、すずか」
「うん、おはようみんな」
みんなと挨拶を交わす。
でもそこにすぐにシホちゃんが私が悩んでいるのを見抜いてき
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