第二十八話 ご開帳その二
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「けれどその怖さでなのよ」
「どんな悪いものでもやっつけるのね」
「そうなの、不動明王らしくね」
「それがそのお寺の珍しいものなのね」
「そう、それであんた達お寺に行ってみるの?」
「ちょっとね」
愛実が答える。
「そのつもりだけれど」
「そうなのね、じゃあちょっと気をつけてね」
「お不動さんの怖さに?」
「それと夜だけれど」
二人は愛子の今の言葉に期待しているものが来たと思った、そのうえで話が来ることを待っていると。
「出るらしいのよ」
「お化けが?」
「そう、一つ目小僧とかね」
二人もよく知っている妖怪だが勿論愛子はそのことを知らないまま話していく。
「そういう妖怪も出るらしいのよ」
「ああ、あの人ね」
「あの人も出るのね」
二人は愛子から一つ目小僧の話を聞いてそして笑顔で話した。
「そういえば小僧さんの格好してるし」
「お寺にいるって言ってたわね」
「あと目も鼻も口もないね」
愛子はこの妖怪の話もした。
「のっぺらぼうだったわね」
「そうそう、何もないけれど見えて喋れて匂いもわかるの」
「凄い人よね」
「?人って?」
愛子はここで二人の言葉が妙なことに気付いてそれで突っ込みを入れた。
「一つ目小僧ものっぺらぼうも妖怪もだけれど」
「あっ、ちょっとね言い間違いしたの」
「気にしないで下さい」
二人は愛子に言われて自分達の言葉に気付いて言い繕った。
「そうそう、妖怪だったわね」
「そうよね」
「まあどっちも特に悪い妖怪じゃないわよね」
愛子も彼等のことは妖怪図鑑等で知っていてこう言った。
「というか人を驚かすだけよね」
「そうよね、日本の妖怪にはそういうの多いけれど」
「一つ目小僧ものっぺらぼうもよね」
「のっぺらぼうっていったら小泉八雲の小説だけれど」
愛子はのっぺらぼうの話をはじめた。
「厳密に言うと貉よね」
「そうですよね、あの作品本当はのっぺらぼうでなくて穴熊が化けたものですよね」
聖花が愛子のその話に応える。
「それで人を驚かせてましたよね」
「江戸でね」
「東京もそういうお話多いんですね」
「人がいると妖怪もいるみたいね」
愛子は二人が妖怪達と仲がいいことを知らないのでそのまま話す。
「だからお話として残ってるでしょうし」
「そうよね、妖怪ってね」
「人間の傍にいますよね」
「お寺に妖怪がいるのも考えてみればおかしな話かしら」
こうも言う愛子だった。
「不動明王に退治されないかしら」
「お不動さんって悪い妖怪しか退治しないみたいだから」
愛実は姉のこの疑問の言葉に答えた。
「いい妖怪さん達だとね」
「何もしないのね」
「そうじゃないかしら。けれどそのお不動さんて」
「j本当に怖いのよ」
「そんなに
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