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ハイスクールD×D 新訳 更新停止
第1章
旧校舎のディアボロス
第4話 ダチを救ってくれ!
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「貴方はこの子のお友達かしら?」
「ええ。そして、頼みがあります……」

 俺は深く頭を下げて懇願する!

「ダチを、兵藤一誠を救ってください!」

 このままだとイッセーはもうすぐ死ぬ。助けるには『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』の力を使うしかない。
 ……はっきり言って、ダメ元だ。せめて、イッセーに眠る神器(セイクリッド・ギア)がこの人にとって有用な物だと可能性はあるのだが。

「……悪魔の事を知っているのね?」
「……むろん、それなりの代価は支払います……」

 たとえ、この人が俺の命と言おうと俺は支払うつもりでいる。
 千秋の事を悲しませるが、イッセーの死をあいつは堪える事は無理だろう。それほどあいつにとってイッセーは大切な存在だからだ。

「ふぅん? 良いわ。代価はいらないわ」
「っ!?」

 俺は驚きのあまり声を出せなかった。
 当然だ。『悪魔の駒(イービル・ピース)』は上級悪魔にとって貴重な物だ。その貴重な物を代価なしで使ってくれると言うのだから。

「この子の事が気に気に入ったのよ」

 グレモリー先輩は魅惑的な微笑みを浮かべる。

「後、友達の為に平然と命を賭けようとした貴方の事もね」

 それを聞き、俺は再び深々と頭を下げる。

「……ありがとうございます」

 そして、グレモリー先輩は懐からある物を取り出した。
 それこそが『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』。チェスの駒に似せた悪魔以外の存在を悪魔へと転生させる物。死した者をも転生させて生き返らせる事もできる。
 グレモリー先輩はその『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』の『兵士(ポーン)』の駒をイッセーの胸の上に置いた。その数は八個。

「我、リアス・グレモリーの名において命ず。汝、兵藤一誠よ。今再び我の下僕となるため、この地へ魂を帰還させ、悪魔となれ。汝、我が『兵士(ポーン)』として、新たな生に歓喜せよ」

 イッセーの胸の上で『兵士(ポーン)』の駒八個がイッセーの胸に沈んでいく。
 それにしても、『兵士(ポーン)』の駒八個とはな。あの堕天使も自分達にとって危険と言っていたから、イッセーの持つ神器(セイクリッド・ギア)がそれ程の強大な物って事なのか。

「これでもう大丈夫よ」
「ありがとうございます」
「しばらくは悪魔の事は秘密にしておいてちょうだい」
「自分で気付かせるためですか?」
「ええ、お願いね」
「分かりました。あとは俺がやります」
「分かったわ。お願いね」

 そう言うと先輩は魔方陣を介して帰って行った。

「さてと」

 俺はイッセー抱えると、俺の家に向かう。さすがにこのまま帰す訳にはいかないだろう。
 ……千秋への説明が面倒だろうが……。
 
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