最終部
第一話
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ちを見ている。妖夢は思考が一気に吹き飛んでいく感じがした。
「えっ!? いやっ……ええ!?」
「あはは……大丈夫?」
「大丈夫じゃないですよ!? いきなり何言ってるんですか!?」
妖夢はおもいっきり動揺していた。幽々子にばれていたこともあってか、俊司自身にばれてしまっていたのかと思っていたのだ。
心臓の鼓動がどんどん大きくなっていく。恥ずかしさのせいで、ほとんど動けなくなっていた。
「……あ……う……」
「……答えてくれるか?」
「……」
どうするべきか分からなくなっていた。
今答えなくても、今の反応を見ればなんとなく見当がつくだろう。だが、もし今答えてしまってはこの関係が崩れてしまうのかと思うと、何もできなくなっていた。
「……今ですか?」
「ああ」
目の前の少年はまっすぐ妖夢を見ていた。その視線に恥ずかしくなる妖夢だったが、その中から微かに勇気の感情が伝わってきていた。
それが後押しになってか、それに答えたいという自分も生まれてきていた。
「……わかりました、きちんとお答えします」
「……うん」
妖夢はあせり始める自分を抑えながら、きちんと言葉にしていた。
「私は……俊司さんのことが……すき……です」
「……そっか」
「それだけですか!?」
俊司の反応に、妖夢は思わず声をあげていた。
「あははっ……なんか、なんて言っていいかわからなくってさ」
「ううっ……」
「ごっ……ごめん」
恥ずかしさのせいか、何もしゃべれなくなった二人。変な空気が二人を包みこんでいた。
「俊司さんは……どうなんですか?」
「俺?」
「はい」
妖夢は、若干睨むような感じで俊司を見ていた。俊司はそっぽを向いたまま、なぜか申し訳なさそうにしていた。
「今は言わない」
俊司は少し笑いながらそう言った。
「えっ!?」
「だって、後がいいって言ったじゃん」
「そっそんな! そんなの卑怯ですよ!!」
「あはは……まあ、そう言うことで」
俊司はそう言いながら立ち上がる。そのまま呆気にとられたままの妖夢に別れを告げ、自分の部屋へと帰って行った。
「……どういうことですか……俊司さん……卑怯すぎますよ……」
妖夢は半分涙目になっていた。
少し離れた廊下の一角にて
「……最低だ……俺」
俊司はうずくまってそう呟いた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ