第7話
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「イメージを鮮明にするために集中しているみたいです」
アーシアさんの方を見ていた朱乃先輩がこちらにやってくる。
「アーシアさんの方はどうですか?」
「うふふ、やはり才能があるみたいですわ」
アーシアさんの方を見てみると、ペットボトルに魔力を送っているアーシアさんがいた。ペットボトルの水はちゃぷちゃぷと波打っている。
「へえ、もう操作できているんですね」
「ええ。この分なら、修行中にでもペットボトルは破れると思いますわ」
始めて数分でこれはすごい。
「これだ!!」
突然兄さんが大声を上げた。僕と朱乃先輩を見つけるとこっちに近づいてくる。
「あらあら、イッセーくんどうかしましたか?」
「はい。渚は少し離れてろ。実際に成功したら教えてやるから」
兄さんはぐふふと悪そうな笑みを浮かべている。とりあえず僕は兄さんから距離を取った。
しばらく、兄さんと朱乃先輩が話していると朱乃先輩が別荘に戻っていく。何事かと思って兄さんに近づいた。
「兄さん、朱乃先輩はどうしたの?」
「わからない。ただ俺の考えたのは出来るみたいだ」
ふーんとうなずいておく。
「お待たせしましたわ」
そんなことをしていると、朱乃先輩が戻ってきた。そして、兄さんの前に大量の玉ねぎ、にんじん、ジャガイモを置く。
「では、イッセーくん。合宿中、これを全部魔力でお願いしますね」
「了解です。任せてください!」
「うふふ、がんばってくださいね」
朱乃先輩はそう言ってアーシアさんの方に行った。
そして兄さんはジャガイモを取り出して、魔力を込めはじめる。
「何をしてるの?」
「まあ、見てろ」
引き続きジャガイモに魔力を流していく兄さん。
「よし、ちょっと出来たぞ!」
兄さんはそう言うが、あまり変化があるように思えない。
「何したの?」
「よく見ろ! ここの皮がちょっとむけてるだろ?」
「え? なに、兄さんは皮をむく魔術を使いたいの?」
訳がわからない。兄さんが何をしたいか全く理解できなかった。野菜の皮をむくことが修行になるのだろうか?
「練習だよ。本番で失敗しないための」
そう言って、さらに兄さんはジャガイモに魔力を流し始めた。
しばらくすると、少しずつだが徐々にむける範囲が広がっているみたいだ。
僕はというと、それを横目で見ながら魔力の圧縮にいそしんでいた。
さっき作ったバレーボールくらいの大きさの魔力の塊を野球のボールくらいにするのが目標。今のところ、少し大きいソフトボールの玉ぐらいの大きさだ。
「うーん・・・・・・・なかなか目標までいかないな・・・・・
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