第6話
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「はぁ・・・・・・・また負けか・・・・・・・・」
木場は渚に木刀を突き付けられていた。木場は悔しそうに両手を上にあげて降参の意を示している。
大半は見えなかったがすごい戦いだったのは俺にもわかった。俺もここまで強くなれるだろうか?
「・・・・・・・・すごかったです」
「ええ、そうね」
俺以外の人も、感嘆の声を上げていた。
「あれ? ところで僕の木刀は?」
「ん? そう言えば、弾き飛ばしたけど、どこに行ったんだろう?」
二人がキョロキョロと周囲を見渡している。そう言えば木場の木刀が見当たらない。どこに行った?
みんなが木場の木刀を探すように、きょろきょろと辺りを見回す。
「あっ! 兄さん、危ない!」
渚の声に辺りを見渡すが何もない。なんだ? からかったの――――
「ゴォッッ!!」
突然、頭に激痛がはしる。頭を抱えてうずくまると、俺のそばに木刀が転がっていた。もしかしなくても、渚が弾き飛ばした木刀が俺に直撃したらしい。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「ク・・・・・クック」
「大丈夫ですか! イッセーさん!」
アーシア以外は顔を伏せて、肩を震わせている。どうやら笑うのをこらえているようだった。訂正、渚は堪えきれずに、震えているわ。
アーシアだけは、俺を心配してくれている。ほかのみんなも笑わないで欲しい。
ちくしょう! なんだこの木刀は! 俺に恨みでもあるのか! あれか!? イケメン死ね! って思っているのがいけないのか!?
思わず転がっている木刀を睨みつけた。だが、木刀がしゃべるわけがない。・・・・・・少し虚しくなった。
「痛くないですか?」
アーシアが俺の頭に手を当てて、治療してくれた。
「ああ。アーシアのおかげでもう大丈夫だ」
「そうですか、ならよかったです!」
俺に笑顔を向けてくる。これだけで痛みなんて忘れられそうです! アーシアちゃん、マジ天使!
「さあ、ナギと祐斗の試合も終わったし、修行再開よ!」
部長が手を叩きながら言った。みんなそれぞれの修行をしに移動を始める。
「行くよ、兄さん」
「がんばろうね、イッセーくん」
「まかせとけ!」
俺は元気に返事した。
その日の夜、俺の体はボロボロだったのは言うまでもない。
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